【社説】中露連携 警戒要する対米共闘強化

ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が中央アジア・ウズベキスタンの古都サマルカンドで会談した。対米共闘強化を目指すものであり、警戒を要する。

習氏とプーチン氏が会談

プーチン氏はウクライナ危機に対する「中国のバランスの取れた立場」を高く評価。台湾海峡をめぐる米国の「挑発」を非難するとともに「一つの中国」を支持すると習氏に伝えた。

このことは台湾統一を目指す習氏の立場を擁護するものだと言えよう。ウクライナ侵略で先進7カ国(G7)による制裁を受け、プーチン氏は戦略的パートナーである中国との連携を誇示し、ウクライナを支える米国などを牽制(けんせい)した形だ。

一方、習氏は「急激に変化する世界を持続的で前向きな発展軌道に乗せるため、ロシアと主導的役割を発揮する用意がある」と述べ、連携強化に意欲を示した。習氏としてはプーチン氏との会談で、対中包囲網を広げる米国への共闘姿勢を確認する狙いがある。

両首脳の会談は、中露主導の上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせて実施。首脳会議では、米国を念頭に制裁や内政干渉に反対する首脳宣言を採択した。こうした一連の動きは力による一方的な現状変更の試みを容認することにつながり、国際社会における法の支配を脅かすものだと言わざるを得ない。

SCOにはインドも加盟している。来年の首脳会議は初めてのインド開催となる。中露には日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」の切り崩しを図る思惑もあろう。

今回はイランのSCO加盟が決まり、正式メンバーは9カ国に拡大。プーチン氏は演説で「世界最大級の地域機構」と主張した。日米など民主主義陣営には対米共闘の動きが広がることへの警戒が求められる。

ただ、SCOが一枚岩とは言えないのも事実だ。中国はウクライナ侵略を続けるロシアを非難しない一方、明確な肩入れも避けている。ロシアへの軍事支援にも慎重な姿勢だ。インドはロシアと伝統的友好関係にある一方、中国とは国境問題をめぐって対立が続いている。

米欧が対露制裁を強化しても中国やインドがロシア産石油などを購入しているため、制裁効果が十分に上がっていないことは看過できない。日米欧はクアッドの一員であるインドとの関係をこれまで以上に強化するなど、SCOの対米連携にくさびを打ち込む戦略を構築する必要がある。

浜田靖一防衛相は米ワシントンでオースティン国防長官と会談し、中露への危機感を共有した。オースティン氏は「最近の中国の挑発的な行動やロシアの一方的なウクライナ侵略は、自由で開かれたインド太平洋への挑戦だ」と非難した。

同盟強化と防衛力向上を

中露は日本周辺でも挑発を強めている。昨年10月には、中露海軍各5隻の軍艦が津軽海峡、太平洋、大隅海峡、東シナ海の順に初の「海上合同パトロール」を実施。爆撃機の共同飛行も繰り返されている。日本は米国との同盟強化と防衛力向上を図るべきだ。

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