【社説】防災の日 緊急時に備え「防災省」検討も

地震の影響で落下したスーパーマーケットの天井=17日午後、宮城県白石市
地震の影響で落下したスーパーマーケットの天井=3月17日午後、宮城県白石市

きょうは「防災の日」。大正12(1923)年9月1日に発生した関東大震災に由来している。わが国は災害列島と呼ばれるほど地震をはじめさまざまな自然災害の被害を受けてきた。防災対策を充実させるとともに複合災害や大災害発生時に救援・支援活動を統括する「防災省」設立を検討すべきだ。

首都被害想定は軽減

東日本大震災を受けて国が策定した首都直下地震対策では、救助活動を優先し二次災害を防ぐため、一斉帰宅を3日間抑制する原則を打ち出している。

ただ、これは会社などに居る場合は有効だが、ターミナル駅などで携帯電話が不通になった時などは、情報を得ようとしてその場所から移動しようという心理が働いてしまう。こういった緊急事態における対応策も必要だ。

日中に起きた場合、交通機関がマヒし自宅にたどり着けない帰宅困難者は東京都で415万人と推定される。ビルやデパートの非常階段、ホテルのロビー、駅周辺の地下街では人々がパニックを起こしかねない。今後、市中での避難訓練を重ねる必要がある。

都は今年5月、防災会議を開き、首都直下地震などによる被害想定を見直しその結果を公表した。住宅の耐震化や不燃化の対策が進展しており、従来想定と比べ被害を3~4割軽減できると見込んだ。だが文明が進めば進むほど、自然災害はその劇烈の度を増してきているという事実がある。

例えば、都市の隅々に及ぶ複雑なインフラ網には災害に対しもろいところがあると指摘する専門家は少なくない。またタワーマンションなどの住宅施設について、安全対策が十分でないケースが明らかになるなど、不安は拭えない。

一方、神戸市は兵庫県などと協調し、大規模災害に備えて防災庁の創設と神戸周辺への拠点設置を国に要望している。神戸市は阪神淡路大震災を経験し、未曽有の被害から復興した都市であり、西日本における防災庁の拠点として適地であると自負している。

国家レベルで災害危機に対処できる機関が求められる。緊急事態に即応し、自治体と情報交換を密にして救援活動を行えるようにする常設の機関だ。

今日、大規模な自然災害があすに起きても不思議ではないという切迫感がある。政府の地震調査委員会は1月、大きな被害が広範囲に発生することが予想される南海トラフ巨大地震の40年以内の発生確率を90%程度と公表した。また、首都直下地震で想定されるマグニチュード7程度の地震については、30年以内の発生確率を70%程度と予測している。

複合災害対策も必要

今年初めから震度5弱以上の地震が全国で相次ぎ、8月11日には北海道で最大震度5強の宗谷地方北部地震が起きた。被害の程度は小さかったが、北海道から九州まで、どの地域でも大規模地震が発生する可能性があることが分かる。

火山噴火、豪雨災害などが共に発生する複合災害についても、普段から警戒を緩めてはならない。

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