【社説】都「パートナー」「同性婚」に道開く危険な動き

記者会見する東京都の小池百合子知事=2021年3月19日、都庁

東京都の小池百合子知事は、同性カップルを公認する「パートナーシップ宣誓制度」の今秋スタートに向け、人権尊重条例改正案を議会に提出した。

導入理由が不明確な上に、首都の制度導入は「同性婚」の法制化を大きく前進させてしまう危険性が高い。議会はチェック機能を担う責任を果たし、改正案を否決すべきである。

約200の自治体が導入

パートナーシップは、ゲイやレズビアンなどの性的少数者カップルを「日常の生活において継続的に協力し合うことを約した二者」として、行政が公認する制度だ。同じような制度は既に約200の自治体が導入している。条例改正案が可決されれば、都道府県レベルでは茨城、群馬両県、大阪府などに続き8例目となる。

6月定例会の初日(1日)、小池知事は「宣誓された性的マイノリティーが都営住宅等に新たに入居が可能となるよう規定を整えるほか、順次、他の事業にも広げていく」と述べた。

都人権部はこれまで、当事者の生活上の不便として「同性カップルが公営住宅に申し込みができない。民間賃貸住宅で、住居を断られている例がある」などと説明している。しかし、これは制度を導入するための方便でしかない。

現在、都営住宅条例には、入居資格に「親族同居要件」があり、同性カップルは入居できない。都営住宅はそもそも「住宅に困窮」している都民を対象にしたものだからだ。また、人権擁護意識が広がるとともに空き家が増えている現在、性的少数者であることを理由に民間住宅への入居を断られる例があるとは考えられない。

都は昨年秋、パートナーシップ導入を前提に当事者の困りごとについてのアンケート調査を行っている。だが、不思議なことに「公営住宅に申し込みできない」など住宅困窮を問う質問は入っていなかった。

「困った当事者がいない」という結果が出ることを恐れ、意図的に入れなかったのではないか。都営住宅への入居を可能にするにしても、都営住宅条例を改正し、入居条件を緩和すればいいのであり、パートナーシップの必要性は全くない。

制度を導入した自治体は都市部に多いため、カバーする人口は全人口の50%を超えている。にもかかわらず、制度を利用したカップルは全国で約3000組にとどまっている。制度の必要性の低さが分かる。

首都のパートナーシップ導入には、さらに重大な問題が隠れている。同性婚の法制化に繋がることだ。都は「基本的な考え方」として「婚姻制度とは別のものとして制度を構築する」と説明する。しかし、パートナーシップと婚姻制度を切り離して考えることは間違いである。

議会は導入ストップを

現在、30の国と地域が同性婚を認めているが、その多くはパートナーシップ拡大が同性婚につながっている。「結婚とは別」と言いながら、パートナーシップは社会秩序の根幹をなす一夫一婦の婚姻制度を崩壊させてしまうのだ。議会はこの認識の上に立って、制度導入にストップをかけてほしい。

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