【社説】18歳成人 社会に貢献できる大人に

成人年齢が20歳から18歳に引き下げられ、約230万人の18、19歳が成人となる。成人としての自覚を持ち、社会に貢献できる大人になってほしい。

146年ぶりの見直し

飲酒や喫煙は現行通り「20歳まで禁止」が維持される。非行を防止し、健康を守るには当然の措置である。一方、18、19歳は親権から外れ、単独でクレジットカードなどの契約を結べるようになる。懸念されているのが、18歳、19歳の消費者被害が多発することだ。

民法は、未成年がクレジットカードなどの契約を親の同意なく結んだ場合、取り消せる規定を設けている。しかし成人になると、いったん結んだ契約を取り消すことが難しくなる。政府は注意喚起を十分に行うとともに、トラブルに遭遇した場合の相談体制を充実させることも求められる。

成人年齢引き下げとともに、事件を起こした18、19歳を「特定少年」と位置付け、厳罰化を図る改正少年法も施行される。事件を起こした少年の実名や顔写真の報道は、これまで更生の妨げになるとして禁じられていたが、特定少年に関しては起訴後は可能となる。

改正少年法は、付則で施行から5年後に制度の見直しを検討すると明記している。更生への影響も含めて判断する必要があろう。

大人の定義は明治初期の1876年に太政官布告で定められた。見直しは146年ぶりとなる。きっかけとなったのは、2007年5月に成立した国民投票法だ。

憲法改正の手続きを定めた国民投票法では、国民投票に参加できる年齢を18歳以上とした。18歳以上を打ち出した当時野党の民主党案を、与党の自民・公明両党が受け入れたものだ。この後、選挙権年齢を18歳以上とする改正公職選挙法や「20歳をもって成年とする」との民法4条の規定を変更して18歳とする改正案が成立した。

このため、18歳成人は政治的妥協の産物という面がある。成人年齢引き下げの理念は必ずしも明確ではない。

現在では、18歳成人が世界の主流となっているとの指摘もある。ただ、これは兵役の義務との関連がある。米国の多くの州では、ベトナム戦争で18歳以上が徴兵されていたことから、成人年齢も21歳から18歳に引き下げた。

既に18歳選挙権導入を受け、学校では模擬選挙などの主権者教育が行われている。今月から実施される高校の新しい学習指導要領では、投資や資産形成の基礎とリスクを学ぶ「金融教育」が始まる。

このような教育は成人としての自覚を促す上で重要だ。権利と共に義務や責任についてもしっかりと教育し、公的な精神を養う必要がある。

「国防」について議論を

ロシアがウクライナを侵略する中、ウクライナでは多くの国民が祖国を守るために戦っている。成人年齢引き下げをきっかけに、若い人たちが「国を守る」とはどういうことか意見を交わし合う場を設けてもいいのではないか。

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