【社説】ウクライナ難民 国際社会と結束し人道支援を

11日、ウクライナ西部リビウの鉄道駅で、戦禍を逃れようと子供を抱え列車を待つ女性(EPA時事)
11日、ウクライナ西部リビウの鉄道駅で、戦禍を逃れようと子供を抱え列車を待つ女性(EPA時事)

ロシアのウクライナ侵攻開始から20日足らずで国外に逃れたウクライナ難民は300万人を超えた。

露軍の侵略により平和な暮らしを送っていた人々がミサイルや砲弾で攻撃され、第2次世界大戦後の欧州で最悪の人道危機が起きている。より一層の支援を国際社会が協力して行っていかなければならない。

300万人超が国外へ

15日にウクライナ難民が300万人を超えたことを国連の関連機関、国際移住機関(IOM)のビトリーノ事務局長がツイッターで発表し、女性や子供たちが愛する家族から引き離されていると強調した。着の身着のままで脱出した人々の物心共のケアに努め、侵略による犠牲を少しでも減らす必要がある。

プーチン大統領の命令を受けて侵攻した露軍は、必死に抵抗するウクライナ軍を相手に苦戦し、軍事施設以外に民間住宅、市街地、原発、小児科病院、学校などを次々に破壊している。一般住民を多数巻き込む言語道断の無差別攻撃を徐々に広げており、露政権が起こした残酷な戦争によって難民がさらに増える状況にあるのは遺憾極まりないことだ。

難民の多くは東欧諸国に避難しており、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると約6割の180万人以上がポーランド、約45万人がルーマニア、約33万人がモルドバ、約26万人がハンガリーなど近隣国に集中している。ポーランドのラウ外相はより多くの国が難民を受け入れるように国際社会に要請した。世界各国で力を合わせた取り組みが欠かせない。

わが国には13日時点で日本在住のウクライナ人の縁者47人が入国したが、さらに受け入れ人数を拡大すべきだろう。政府は来日を希望する場合、90日間の在留資格「短期滞在」で受け入れ、入国後に就労や健康保険加入が可能な1年間の「特定活動」への切り替えを認める措置を決めた。

具体的な受け入れに際しては居住、就学、就労、通訳、日本語習得などのサポートを国、地方自治体、企業、ボランティアなど官民で協力し合う支援体制の拡充を図っていくことが求められよう。英国では、ウクライナ難民の住宅費を少なくとも6カ月は無料にするため、住居を提供した家庭に月約5万4000円相当の謝礼を支払う制度が発表された。国際秩序を力で破壊する暴挙に、強力な対露制裁とウクライナを救う人道支援で立ち向かわなければならない。

300万人の難民の殆(ほとん)どは、一日も早く露軍が撤収し、祖国に帰国して平和を取り戻すことを願っているはずだ。露軍侵略により避難したウクライナ人は、難民条約の難民の定義とは別の避難民の立場だが、わが国はこれまで難民支援に消極的であると内外からの指摘もある。これまで以上に人道支援策を向上させるべきだ。

支援の輪を広げたい

戦争の長期化も予想される。フランスとメキシコは国連総会で敵対行為の停止を求めるなどの人道支援強化の決議案採決を提案するが、対露批判に弾みをつけるためウクライナ支援の輪が広がることを祈りたい。

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