トップオピニオン【世日クラブ講演要旨】国守る意識を家庭で育てよう 「内なる国防は家庭に在り」― 著述家・江東区児童家庭支援士 近藤 倫子氏

【世日クラブ講演要旨】国守る意識を家庭で育てよう 「内なる国防は家庭に在り」― 著述家・江東区児童家庭支援士 近藤 倫子氏

世界日報の読者でつくる「世日クラブ」の定期講演会が22日、オンラインで開かれ、著述家で東京都江東区児童家庭支援士の近藤倫子氏が「内なる国防は家庭に在り」と題して講演した。近藤氏は、子供たちは日本の未来を担う人材であり、子供たちを大事に育て上げることが国を守る大事な要素になると強調した。以下は講演要旨。
こんどう・りんこ 1975年、東京都新宿区生まれ。日本女子大学家政学部卒。江東区児童家庭支援士。児童福祉分野の専門家として著述活動、講演活動、番組出演、大学で講義を行っている。「國の防人」(展転社)に論文多数掲載。 
こんどう・りんこ 1975年、東京都新宿区生まれ。日本女子大学家政学部卒。江東区児童家庭支援士。児童福祉分野の専門家として著述活動、講演活動、番組出演、大学で講義を行っている。「國の防人」(展転社)に論文多数掲載。 

国防と聞くと、対外的なもの、軍事・外交など堅苦しいものをイメージする人は多いだろう。私は、ロシアとか北朝鮮とか中国など敵国と見なすような国に対する国防だけではないと思っている。外側に向かって行われる国防に対して、私は内側に向けた国防が必要ではないかと思い、「内なる国防」という言葉を作り出した。内側に向けた国防の意識を家庭の中で育もうということを今、提唱している。国を愛することは家族を愛することと同じであると考える。

そこで大事になってくるのはまず、子供をどう守り、育てるか。子供たちが外で身に付けた有害な情報や知識を“洗浄”できるのは家庭だ。それを両親がしてあげるのが一番いい。

信頼関係は一朝一夕でできるものではなく、親子の関係性においても同じだ。子供が大きくなってから信頼関係を取り戻そうとすれば、それを失ったのと同じぐらいの期間をかけ、少しずつでも信頼関係をつくらなければならない。

親子の関係は乳幼児期に構築しておくべきだ。共働き家庭が増え、0歳で子供を保育園に入れる家庭が増えている。

生まれながらに女性は母性を持っている。子供を産み育てる間に母性が育まれるものだ。乳幼児期に子供を保育園に預けることは、育児を手放していることを意味する。信頼関係の土台となる時期に育児を放棄してしまえば、親子の信頼関係が崩れてしまう。

スキンシップを経験しないまますぐに保育所に入れてしまうと、親が迎えに来ても家でかまってもらえず、寂しさを感じたまま成長する。

心の中に母親の土台がないと寂しくなり、甘えたりお願いしたりもできず、不満を抱えたまま思春期を迎える。その不満を外の世界で発散させてしまう。これが熾烈(しれつ)ないじめとなって表れてしまう場合がある。ほかの大人に抱っこされ人見知りをしない子がいい子だと勘違いされがちだが、これは言い換えれば母親との信頼関係がないことを意味する。

一方、中学生になって家で猛烈に反抗する場合は、心配しなくていい。心配なのは家でおとなしくしている場合。その子に異変があっても両親は気付かなくなり、結果、外の世界でとんでもないことをしてしまう。早い時期に性の被害者となることもある。

外の社会でおかしな情報を手に入れ、ドラッグやパパ活などを通じて悪意を持った大人とつながることによって生命の危機に陥ってしまう。日本の未来を担う子供たちが危機に瀕(ひん)していることを認識して改めることは、国防を考える意味では重要だ。

子供は当然、お父さんとお母さんの両方が揃(そろ)った環境で育つことが一番大切だ。しかし、望まずして父子家庭、母子家庭になることもある。将来、離婚しない夫婦でいるためには、青年期の学びが大事になるが、ここが軽視されている。労働者になるための読み書き、そろばんのような記憶学習ばかりでは非常に心苦しい。

日本は奈良時代から子供を宝物として扱ってきた。8世紀ごろの戦乱の世では、一神教の欧州では女性と子供は白人男性の所有物だった。一方、古事記で最初に出てきた神様は、性別が曖昧で中性的に描かれている。

日本では男性と女性は対を成して拝み、イザナギとイザナミは対等、言い換えれば男性と女性は対等で、男尊女尊という価値観だった。当然、子供は大事に敬われてきた。

ところが戦後、連合国軍総司令部(GHQ)のウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)がこうした価値観を変え、日本の暦までも変えられてしまった。

例えば、建国記念の日の2月11日は、本来は紀元節で神武天皇が即位した日を祝った。11月23日の勤労感謝の日も新嘗祭だ。その年の収穫に感謝して新穀を神様にお供えし、来年の豊穣(ほうじょう)を願う行事。こういうことが国を守ることにつながるはずだ。

家庭で日本の大切さを伝えるには古事記を読むことをお勧めしたい。

それから、教育勅語だ。その12の徳目は、①親を大切にしましょう②兄弟姉妹は仲良くしましょう③夫婦はいつも仲むつまじくしましょう④友達はお互いに信じあって付き合いましょう⑤自分の言動を慎みましょう⑥広く全ての人に愛の手を差し伸べましょう⑦勉学に励み職業を身に付けましょう⑧知識を養い才能を伸ばしましょう⑨人格の向上に努めましょう⑩広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう⑪法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう⑫正しい勇気を持って国のために真心を尽くしましょう――。これを家の中で伝えると、子供たちがより良い日本人となり、ひいてはより良い家庭となる。

「国のため」というと、軍国主義と批判する向きがあるが、これを家庭に置き換えれば当然のこととして理解できる。お父さんやお母さんは身を呈して子供を守る。夫であれば、自分の妻や子供を守るために自分の命を賭してでも戦い守る。

お母さんは、子供を守るために必死になって子供を育て、自分の命など惜しくないと思える。これは、「八紘為宇(はっこういう)」(全世界みんな家族という意味)という神武天皇の建国の精神だ。

この精神で子供たちを大事に丁寧に育てていくことが「内なる国防は家庭から」につながる。家庭の中での子育てを通して愛国心のある子供を育み、そしてお母さんは、明るく楽しく朗らかに家庭の太陽として輝いて、明るく子供たちを丁寧に育んでほしい。お父さんは、お母さんと子供をしっかりと守る。土台、大黒柱となって、名誉あるお父さんとしてしっかり頑張ってほしい。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »