世界日報 Web版

沖尚野球部と東浜投手


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県高校野球の秋季大会は8日、沖縄尚学が決勝戦で興南を4対1で下して10年ぶり7回目の優勝を果たした。

 共に全国優勝の経験がある沖尚と興南の公式戦での直接対決は何年ぶりだったろうか。わくわくする気持ちで観戦した。全国経験の豊富なチーム同士の引き締まった試合運びで、最後まで予断を許さない展開だった。

 興南の方が安打数で上回ったが、なかなかバンドを決めきれず投打ともにスキを見せなかった沖尚に軍配が上がった。夏の甲子園で先発した1年生エースの宮城大弥投手は準決勝で完封したが、決勝では温存した。

 21日からは九州大会が始まる。沖尚は投打ともに充実し、興南は主力メンバーが戻って選手層が厚くなるという。大きな舞台になると経験と知名度が大きく影響する。2校同時出場も夢ではない。

 沖尚は1999年に県勢初のセンバツ優勝を成し遂げ、2008年のセンバツには2回目の全国制覇を果たした。それから数年、全国的な活躍から遠ざかっている感があるが、一切の焦りはないようだ。

 沖尚の名城政一郎副理事長は、「高校野球は人生の1ステージにすぎない。たとえ負けた場合でも何を学べるかが問われる」と人生論を熱く語った。

 沖縄出身のプロ野球選手は近年、多く輩出されているが、これまで安定して活躍できる選手は少なかった。沖縄出身選手の主要タイトル獲得は、伊良部秀輝投手が96年に最優秀防御率を獲得して以来、遠ざかっている。

 そんな中、沖尚出身選手でソフトバンクの東浜巨投手が今シーズン、最多勝利のタイトルを獲得した。沖縄出身の選手は概して小柄で体力面でも劣る。それを乗り越えるだけの精神力と人間力は、沖尚で培われてきたのであろう。

(T)