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普天間早期移設の意見書可決


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 辺野古埋め立て承認に瑕疵(かし)があるとした承認取り消しの問題で、最も翻弄されているのは普天間飛行場を市の中心部に抱える宜野湾(ぎのわん)市だ。知事の判断によって移設の道筋が閉ざされれば同飛行場の固定化を招きかねないからだ。

 宜野湾市議会は25日、保守系与党が提出した「米軍普天間飛行場の固定化を許さず即時閉鎖・早期返還の実現に関する意見書」を賛成17、反対8の賛成多数で可決した。

 平成8年の日米両政府による返還合意から19年が過ぎたにもかかわらず、いまだに返還の見通しがつかないことについて、意見書では「返還合意の原点は『住宅密集地で街の真ん中にあり、万が一事故が発生すると人命を失うおそれが強い普天間飛行場の早期の危険性除去』である」としている。

 意見提出者の呉屋等議員は、現在の政府と県の移設に対する議論は「移設先だけに終始してしまっている」と指摘、「当事者である宜野湾市民としては不安、危惧を抱かずにはいられない」と説明。固定化は「市民にとって決して許されるものではなく、耐えられないものである」と訴えた。

 返還合意について納得ができないとの理由で反対した革新系野党は、「普天間基地の県内移設阻止」を盛り込んだ意見書を提出した、賛成8、反対12で否決された。公明と中立会派は棄権した。

 野党案では、「県知事選や衆院選で示された民意は“新基地”建設に反対するのが民意」と説明。危険性除去については一切触れていない。

 二つの決議書の議決で、少なくとも翁長知事が主張する県内移設反対は「県民の総意」ではないことが証明されたと言える。(T)