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辺野古に始まり辺野古で終わった年


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 今年一年を振り返ると、1月の名護市長選に始まり、2月の石垣市、4月の沖縄市の市長選、9月の市町村議会選挙、11月の知事選と那覇市長選、そして最後は12月の衆院選と「選挙の年」だった。同時に、17年間動かなかった米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設工事が動きだした年だった。

 仲井真弘多(なかいみひろかず)前知事は昨年12月、普天間飛行場の危険性除去のため、政府から要請があった辺野古沖の公有水面埋め立てを法律に基づいて承認した。これに対し、地元メディアは一斉に「公約違反」と騒ぎ立てた。

 その結果、辺野古移設の地元である名護市長選では、移設反対の現職市長が再選された。

 9月の市町村選挙では、アベノミクスの景気浮揚策が奏功、「沖縄の経済振興」を打ち出した保守系は議席を増やし、「基地反対」の革新系は議席を減らした。

 しかし、知事選では、地元メディアの後押しを受けて、那覇市長だった翁長雄志(おながたけし)氏が「オスプレイ反対」「新基地反対」の「オール沖縄」を旗印に掲げ、「辺野古移設が、危険性除去の現実的解決策」と断言した仲井真氏に勝利した。

 年末の衆院選でも、日本共産党主導の「新基地建設反対」キャンペーンが沖縄の全選挙区で奏功、自民党候補は全敗したが、比例代表で全員復活当選した。

 衆院選後、ある会合で、仲井真前知事は「『県外が望ましい』と言ったが、『県内は反対』と一度も言ったことはない。普天間の危険性除去が公約であって埋立承認は公約違反ではない。どうして県民はこれを理解しなかったのだろう」と語り、一瞬悔しさを見せた。

 政府は来年も、辺野古移設を粛々と進める予定だ。政府と沖縄との調整が本格化する。(H)