世界日報 Web版

伊藤宮司、7年間お疲れさま


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県護国神社(那覇市)の伊藤陽夫宮司が3月末で退職した。伊藤氏は、神戸商船大を卒業後、皇學館大と國學院大で学び、長田神社(神戸市)、八坂神社(京都市)、明治神宮(東京)の祭儀部長などを歴任した。平成17年11月に沖縄を巡礼。ある縁で、同19年から7年間、沖縄県護国神社の宮司を務めた。

 日清戦争、日露戦争以降の戦没者をまつる「招魂社」という名前だった沖縄県護国神社には、沖縄戦に殉じた英霊だけでなく、戦争で犠牲になった一般住民も祭神としてまつられている。沖縄戦が終了したとされる6月23日の「慰霊の日」には毎年、沖縄戦戦没者総合慰霊祭を斎行、沖縄戦にまつわる講話や勉強会、芸能イベントなどを多数開催した。

 平成22年12月には、創建75周年を記念して本殿の改築と新社務所が完成、誰もが利用できる憩いの場所として親しまれるようになった。

 これと時期を同じくして、天皇陛下御即位20年・両陛下御成婚50周年記念事業として、天皇陛下による琉歌の御製、ならびに、皇后陛下による皇后御歌の歌碑を境内に建立した。

 伊藤氏はまた、戦時中の島田叡(あきら)知事の顕彰碑を、糸満市摩文仁の丘にある島守の塔の隣に発起人の一人として建立した。

 広報活動にも尽力した。平成21年に社報「うむい」を発行。年2回のペースで宮司のメッセージや社の近況を報告した。退職の直前には、「沖縄戦跡・慰霊碑を巡る」(明成社)を監修し、反戦平和を主題としたこれまでの戦跡めぐりとは一線を画し、英霊顕彰の意義を伝え広める内容にした。

 伊藤宮司、7年間大変お疲れさまでした。(T)