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「チャタンヤラクーサンクー」って何?


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 2021年の流行語大賞(ユーキャン)の候補の一つに「チャタンヤラクーサンクー」が選ばれた。チキータ(卓球)、ゴン攻め(スケートボード・ストリート)などと並び東京五輪に関連する言葉だ。

 そんなもの一度も聞いたことがないという人は多いだろう。恥ずかしながら筆者もその一人だ。空手の女子形で出場した清水希容選手が得意としている形を指す。

 沖縄空手剛柔流の有段者に聞くと、「チャタンヤラクーサンクー」は、沖縄空手の大家の一人、喜屋武朝徳(きゃんちょうとく)が生み出した型で、松林(しょうりん)流以外の喜屋武系の諸流派でも受け継がれているという。

 漢字で書くと「北谷屋良公相君」。喜屋武が、琉球王府の首里から北谷村字屋良(現在の嘉手納町字屋良)に移住した武人・屋良利正より伝授継承されたことにちなんで名付けられたという説が有力だそう。

 クーサンクーという形は沖縄空手でよく使われているものの一つで、流派や会派によって少しずつ違っているという。中でも、チャタンヤラクーサンクーは伝統空手の糸東流という流派で演武されている。なお、同派は、いずれも沖縄空手の大家、糸洲安恒(いとすあんこう)と東恩納寛量(ひがおんなかんりょう)に師事した空手家が、師匠の名から1字ずつ取って名付けられた流派だ。

 先の有段者は、「高難度であるから、高得点が出しやすいのだろう」と話した。

 なお、空手男子形で金メダルを獲得した喜友名諒選手で演武したのは「オーハンダイ」。こちらは残念ながら流行語大賞にノミネートされなかった。

(T)