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沖縄県「軽石は安全性が不明、持ち帰らないで」


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 小笠原諸島(東京都)の海底火山が噴火して2カ月後、噴火でできた軽石が沖縄県内各地に漂着し、漁業や観光業に影響が出ている。さらには、船が出せないことで一部の離島民の生活にまで支障を来している。

 沖縄本島中東部のうるま市の勝連漁港と浜比嘉島を訪ね、軽石の現状を視察してきた。

 琉球開闢(かいびゃく)の祖を祭っているとされるアマミチューの墓は観光スポットになっているが、その岩礁の隣の白い砂浜を軽石が覆い、薄黒いビーチと化してしまった。

 驚いたのは、その軽石の脆(もろ)さだ。まるでスナック菓子のように少しの圧力ですぐにつぶれてしまう。

 隣にある比嘉港にも軽石が押し寄せていた。その量はそれほど多くなく、60代の漁師の男性は「自分たちで脇に寄せて船を出すことができた」と話す。ただ、軽石が流れつく現象は「人生で初めての経験だ」と驚きを隠せない。

 軽石漂流がニュースになると、軽石を拾いに来る人が続々と集まってきたという。「コロナでずっと観光客が少なかったのに、軽石騒ぎで急ににぎやかになった感じだ」と先の男性は話した。

 持ち帰られた軽石は園芸用や観賞用、あるいは、かかとなどの角質ケアに使われるようだ。単なる転売目的で拾いに来る人も多いようで、インターネットのフリーマーケットサイトにも出品され、実際に落札されている。

 県には多くの問い合わせが寄せられている。土木建築部海岸防災課は、「軽石の成分について分かっておらず、安全性が不明であるため、持ち帰りはしないようにお願いします」と回答している。

 ところが、30日にも、一部の海岸で前日まであった軽石が消えていることが確認された。

(T)