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犠牲者へ慰霊の祈り 沖縄


激戦地で戦没者追悼式

 沖縄戦の組織的戦闘が終結して76年となった「慰霊の日」の23日、最後の激戦地となった沖縄県糸満市の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」が行われた。新型コロナウイルス感染症対策のため緊急事態宣言が発令される中、追悼式の参列者は30人に限定。大粒の雨が降る中、正午の鐘に合わせて参列者は黙祷(もくとう)、戦没者に哀悼の意を表した。

「沖縄全戦没者追悼式」菅義偉首相(森啓造撮影)

「沖縄全戦没者追悼式」にビデオメッセージを送った菅義偉首相23日午前、沖縄県糸満市の平和祈念公園(森啓造撮影)

 玉城デニー知事は平和宣言で、「戦争体験者の証言を後世に語り継ぎ」、恒久平和の実現を求めると述べた。来年の本土復帰50年という節目を迎えるに当たり、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設計画について日米両政府に向け「辺野古が唯一の解決策という考えにとらわれることなく、目に見える形で過重な基地負担の解消を図っていただきたい」と訴えた。県を含めた協議の場を改めて要望した。

 首相就任後、初の慰霊の日となった菅義偉首相はビデオメッセージで「沖縄が負った癒えることのない深い傷を、今を生きる私たちは、深く心に刻み、決して忘れてはならない」とあいさつ。

 その上で、沖縄に基地負担が集中する現状は、「何としても変えていかなければならない。『できることはすべて行う』との方針の下、沖縄の基地負担の軽減に向け、一つ一つ、確実に結果を出していく」と力強く述べた。

 この日、戦争体験者や遺族らは、密を避けながら糸満市内の平和祈念公園内の刻銘碑などを訪れ、手を合わせ、花を手向けた。同公園内の「平和の礎(いしじ)」には、敵味方や国籍を問わず沖縄戦などで亡くなった戦没者の名が刻まれている。今年は新たに41人が追加され、刻銘者は計24万1632人になった。