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売上減の台湾と沖縄のパインを応援したい


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄のスーパーマーケットでは今月から台湾パインを見掛けるようになった。実際に購入してみたら、芯まで食べられるし、国内に広く流通しているフィリピン産と違う深い味わいで、これまで食べたパインの中でもおいしいと感じた。

 中国政府は3月1日付で台湾パイナップルの輸入を停止した。その理由は、検疫で有害生物を検出したからだという。台湾側は中国政府による圧力だと反発している。そこで、日本では各界から台湾パイン支援の声が上がり、国内の台湾パイン応援の機運が高まっている。

 日本で唯一、パイナップルを安定生産できるのは沖縄県だ。沖縄総合事務局によると、沖縄県産パインの出荷量(2019年)は7280㌧。そのうち、生食用は4770㌧、加工用は2510㌧。県内で販売されるのは4分の1程度だという。

 ところが、沖縄のパイン生産は年々減少している。戦後の統計によると、1972年には8万5千㌧も出荷していたが、現在はその10分の1以下だ。

 沖縄に本格的なパイナップル産業を根付かせたのは台湾だ。1930年、台湾から石垣島にパイナップルの苗が運び込まれ、35年には台湾から栽培農家53家庭、約300人が技術者や農業者として移住し、本格的な生産が始まった。戦後、多い時は年間600人もが来島し、石垣島の農家の半数近くがパインを生産するようになるなど、島の農業と経済を大きく支えてきた。台湾パインを購入することは、せめてもの恩返しになると思っている。

 一方で、コロナ禍の影響もあり、県産パインの売り上げは激減し、価格が暴落している。関係者によると、このままでは夏場までに多くが廃棄処分になる可能性もあるという。県産パインも同じく応援したい。

(T)