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解決遠い八重山教科書問題


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県八重山地区の石垣市、与那国町と竹富町が異なる中学公民の教科書を採択している問題は、2年を経た現在も解決の糸口が見えない。

 県教育委員会は15日の定例会で、文部科学省へ質問状を送ることを決めた。

 教科書無償措置法では、採択地区は市郡単位で設定するように定められているが、「意見が同じ市区町村に採択地区を分割することを検討したい」と、文科省に提案する。諸見里明教育長は「現行では難しい面もある。できるかどうかという提言だ」と述べた。

 文科省は昨年10月、採択地区と異なる教科書を使用している竹富町に是正要求するよう県教委を指導した。質問状には、「竹富町で教育の機会均等が是正されていない」「是正要求を出せば混乱が起きることが予想される」と記載、是正要求の法的根拠を確認したい意向を示した。

 文科省は21日の回答の中で「(分割地区で)十分に調査研究が可能か」と疑問を呈し、地区分割を否定。改めて県教委に、竹富町に是正要求をするよう求めた。苦肉の策もあえなく一蹴された形だ。

 15日の定例会では、沖縄県工芸振興センター非常勤講師の宮城奈々氏が教育委員長に就任することが決まった。45歳で復帰後最年少だ。前委員長の新垣和歌子氏は昨年末に退任した。

 八重山教科書採択問題が起きてからもう2年半になる。その間、教育長は大城浩氏から諸見里明氏に代わり、教育委員長は3人目になった。

 いくらトップが代わっても歴代の役員は誰一人として竹富町を指導することすらできなかった。若い宮城教育委員長の決断力とリーダーシップに期待したい。(T)