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南西諸島海域を守る哨戒機P-3C


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 記者向けの哨戒機P-3Cの体験飛行がこのほど、自衛隊那覇基地で行われた。海上自衛隊第5航空群(那覇)の広報担当によると、P-3C飛行訓練を記者に対してオープンにしたのは初めてだという。

P-3C

外国船を監視するP-3C=10日、沖縄本島南西の海域

 P-3Cは米航空機メーカー、ロッキード社が開発したターボプロップ哨戒機。初飛行から約60年となる老舗の航空機だ。もともとは潜水艦の探知が主な任務だったが、今は広域警戒に当たっている。

 P-3Cは民間機発着の合間を縫って那覇空港を飛び立つと、低空で沖縄本島南西を飛行。外国船を見つけると旋回飛行を行い、不審船ではないか確認した。第5航空群の任務範囲は尖閣諸島を含む南西諸島や東シナ海が中心だ。国内では最も厳しい安全保障環境にあり、乗組員の表情からは緊張感を読み取ることができた。

 海軍力を増強し、太平洋進出をもくろむ中国軍に対する監視も重要な任務だ。また、東シナ海では、北朝鮮などが洋上で行っている違法な物資の積み替え、すなわち瀬取りの監視にも目を光らせる。

 海上自衛隊はまた、ソマリア沖・アデン湾の海賊行為を抑止するため、護衛艦とP-3Cによる警戒監視活動を継続している。2009年から10年かけて通算36回、2400回の任務飛行を達成した。中でも、第5航空群からはその3分の1に当たる12回派遣している。

 海上自衛隊は10年ほど前から、哨戒機をP-3CからP-1に切り替えている。数年後には能力向上型も導入する検討を進めている。ある自衛官は、P-3CとP-1の違いは「携帯電話のガラケーとスマホの違い」だと例えた。ただ、第5航空群では当面、P-3Cが南西諸島海域の安全を守る主力機であることに変わりはない。

(T)