
中国のエスカレーション
高市首相が国会答弁で台湾有事に関して発言すると中国が反発した。中国は高市首相に発言の撤回を要求すると同時に日本に対して経済面で報復を行った。しかし高市首相は中国の要求を拒否し政治的な譲歩が得られない。さらに中国が日本に対して行った経済面の報復も日本に対して効果がなかった。
そんな時に中国は海軍艦艇で黄海・南シナ海・西太平洋に至る「軍事作戦」を行った。参加した中国海軍艦艇数は100とも言われ、軍事的脅威は台湾・日本どころかアメリカまで巻き込む規模になった。
さらに12月6日には中国海軍のJ-15戦闘機が航空自衛隊のF-15戦闘機に対してロックオンする事態が発生した。この時の状況は日本と中国で異なるが中国が日本に対してエスカレーションを行っていることが鮮明になった。
偶発的な戦闘になりかねないロックオン
12月6日に中国海軍の空母・遼寧からJ-15戦闘機が発艦すると、領空侵犯を警戒した航空自衛隊のF-15戦闘機がスクランブル発進した。この時に沖縄本島南東の公海上空で中国のJ-15戦闘機が航空自衛隊のF-15戦闘機に対しロックオンを行った。ロックオンはミサイルなどで目標に狙いを定め追跡・固定する状態だから、目標を攻撃すれば中国と日本の戦闘が始まる危険な領域だ。
■「自衛隊機が安全を脅かした」 中国海軍が主張、中国軍機のレーダー照射には触れず
https://www.sankei.com/article/20251207-Z7K737PQ7RLMVB3GTPQ5CICUFE/
だが中国は「自衛隊機が安全を脅かした」と反論。このため中国と日本の主張は一致せず日本に対して「中傷を直ちに停止する」ことを求めている。中国は正常な訓練を日本が妨害し、さらに存在しないロックオンで中国を中傷していると日本を批判した。
今後も中国戦闘機による航空自衛隊機に対するロックオンが続くと、事故だとしてもミサイルが発射された場合は偶発的な戦闘が始まる危険な状態。中国は高市首相の台湾有事発言からロックオンに至るまでエスカレーションさせていることを理解していない。むしろ日本にエスカレーションで譲歩させることを意図的に行っている。これは危険な火遊びで、中国が世界から孤立する道を進んでいる。
中国はアメリカの脅威
中国は日本が世界から信用を失い孤立していると宣伝工作しているが、実際の日本は欧米軍と自衛隊の合同軍事演習を定期的に行うなど信頼が向上している。それに対して中国は継続的に台湾侵攻を匂わせると同時に隣接国と領土問題で対立。さらに台湾海峡が封鎖される危険性からアメリカが中国を危険視している。
■「中国こそ米国の最大の脅威」 米議会の諮問委員会報告 多様な対抗策を提言
https://www.sankei.com/article/20251205-ANDK372DFNITHLW7FQ7H2WLQYE/
アメリカは中国が政治・経済・軍事で覇権を拡大していると警戒し、サプライチェーンの武器化で間接的にアメリカを攻撃していると見なしている。特にアメリカは戦略物資の中国依存度をモニタリングし、中国製品を低減させる権限を商務省に与えることを求めている。ここまでアメリカが中国を警戒するならば、過去の基準になるが冷戦期のアメリカ作戦計画方針が参考になる。
【冷戦期のアメリカの作戦計画方針】
・国土戦域の核戦争 =戦略核戦争(米ソ全面戦争)であり米国が戦う。
・前方戦域の核戦争 =戦域核戦で核保有国(米英仏)が連合して対処。
・前方戦域の通常戦争=通常戦で連合対処。
・覇権戦域の局地戦争=同盟国が第一次責任、米国は軍事援助
現段階の状況に合わせるとアメリカは核戦争を想定していない。このため台湾・日本を含んだ前方戦域の通常戦争か覇権戦域の局地戦争が予想される。前方戦域の通常戦争であればアメリカが参戦し台湾・日本と連合して中国と戦争する。だが覇権戦域の局地戦争であれば台湾・日本に中国と戦争させアメリカは軍事援助に留める。
中国が台湾・日本との戦争に限定させるならアメリカは台湾・日本への軍事援助に留めるから中国には好都合。だが中国がアメリカ経済を破壊する動きを見せればアメリカは参戦して中国を叩き潰す。この時はアメリカ・台湾・日本の連合軍になるからアメリカとしても戦力・戦費の負担が軽減できるから旨味がある。
基本的にアメリカのトランプ大統領は覇権戦域の局地戦争にしたいはずだ。何故なら戦争するのは台湾・日本だからアメリカは武器を売ることで利益が出る。さらに仮想敵国の中国を弱体化できるから一石二鳥になる。だからこそトランプ大統領は自国民を死亡させずに勝利できる覇権戦域の局地戦争を優先する。
だが中国はトランプ大統領の思惑とは異なり、トランプ大統領を怒らせる方針を行っている。これはトランプ大統領が敏感な経済への意図的な攻撃であり、アメリカの国益である海上交通路を遮断する動きを見せている。
中国がアメリカ参戦に導いている
中国はトランプ大統領が参戦する意思がないことを見抜いているはずだ。だから意図的に中国軍の動きを拡大させ、台湾海峡封鎖から西太平洋への進出まで行っている。だがこれは海上交通路を遮断しアメリカ経済を破壊する動きだからトランプ大統領を怒らせる選択だ。
そんな時に中国は高市首相の台湾有事発言でエスカレーションを続けている。このまま日中関係が悪化すると中国は日本に対して懲罰戦争を行うだろう。何故なら中国は面子優先で譲歩できない国だ。仮に中国が譲歩すれば中国人民は共産党を恐れず易姓革命を始める。このため中国はエスカレーションを続けると1年以内に易姓革命を回避するために懲罰戦争を開始する。さらに中国のエスカレーションを脅威と見なしたアメリカも参戦するお土産が付くはずだ。
(この記事はオンライン版の寄稿であり、必ずしも本紙の論調と同じとは限りません)






