トップ国内沖縄社民党 県議ら8人離党 沖縄2区 新垣氏、瑞慶覧氏の落選受け

社民党 県議ら8人離党 沖縄2区 新垣氏、瑞慶覧氏の落選受け

中道改革連合公認の新垣邦男候補の街頭演説=4日、沖縄県中城村
中道改革連合公認の新垣邦男候補の街頭演説=4日、沖縄県中城村

 8日に投開票された衆院選の沖縄2区で、社民党を昨年離党した元副党首の新垣(あらかき)邦男氏と、別に社民党が立てた瑞慶覧長敏(ずけらんちょうびん)氏が分裂した結果どちらも落選したことを受け、同党の県議会議員や党員ら8人が14日離党した。社民党(旧社会党)所属の県議がいなくなるのは1972年の本土復帰以降初めてとなった。また、同選挙を振り返る地元新聞の悪意むき出しの記事に対し、候補者自らがSNSを通じて抗議したことが話題になった。衆院選の余波が各所で広がっている。(沖縄支局・竹澤安李紗)

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)が所在する沖縄2区は、同飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力が分裂した選挙区として注目が集まっていた。結果、自民前職で防衛副大臣の宮崎政久氏が初めて小選挙区で勝利した。

 オール沖縄や玉城デニー知事の支援を受け中道改革連合から出馬した新垣氏と、瑞慶覧氏の得票数を足すとわずかに宮崎氏の票を上回った。社民党が比例で勢力拡大のために瑞慶覧氏を擁立した時から、オール沖縄が沖縄の事情を無視する判断だと反発した中で、「分裂していなければ勝てた」と選挙後にも社民を批判する声が支持者から噴出した。

 「とことん沖縄!」を掲げ、明確に辺野古建設反対を訴えた瑞慶覧陣営だったが、選挙結果を受け、新垣氏が負けるとは思っていなかったと明らかにした。小選挙区では新垣氏が当選することは堅いと踏んで、比例復活で瑞慶覧氏の当選を狙っていたが、結果は振るわなかった。

 辺野古反対を訴えた両者の落選を受けて、14日、社民党県連の幸喜愛(こうきかなし)県議や照屋大河前県連代表ら合わせて8人が離党した。本土復帰以降初めて社民党所属の県議会議員がゼロになったが、照屋氏の離党のインパクトも大きい。同氏の父・照屋寛徳氏は、新垣氏が当選する前まで、沖縄2区で2003年から社民公認で6回連続当選し、社民副党首を務めた人物だ。

 社民が全国の中でも沖縄からの支持を多く得ていたのは、10年の鳩山由紀夫首相時代に普天間を巡る問題で社民の福島瑞穂党首が辺野古移設の署名を拒否したことからきている。辺野古に反対する明確な姿勢で支持層からの信頼を得ており、それ以降の選挙でも沖縄が社民を支えてきたと言える。ところが、瑞慶覧氏擁立という判断が、社民支援者のこれまでの応援を裏切る結果となった。さらに沖縄の基地問題に取り組んだ父を持つ照屋大河氏が離党したことで、沖縄での社民の崩壊は決定的なものとなった。

 社民党はX(旧ツイッター)で14日、8人の離党の記事で「いよいよ終わった感がある」というコメントに対して、「終わったんなら、また始めるだけです。これまでさまざまな社会運動の場でも繰り返されてきたこの言葉を、改めて」と投稿した。

 辺野古移設を巡るオール沖縄の混乱ぶりは、地元新聞社「琉球新報」の選挙を振り返る記事に対し、候補者から抗議や意見が相次いだことからもうかがい知ることができる。

 琉球新報が11日付1面トップ記事に「『辺野古曖昧に』と要望」と見出しを打った。沖縄3区で自民前職の島尻安伊子氏に敗れた屋良朝博氏(中道)は12日、SNSで、記事に対して「全くの事実誤認」と反論した。実際は「辺野古容認を迫る党幹部に対し、強要するならば離党も辞さないと激しく抗弁した」ものだったと付け加えた。

 県内で影響力を持つ新聞社が「安易なスキャンダリズムがもたらした代償はあまりに大きく誠に遺憾」と強い言葉を選んだ。琉球新報と並ぶ沖縄2大紙「沖縄タイムス」で論説委員を務めた経歴のある屋良氏が注文を付ける事態となった。

 沖縄2区の記事でも、宮崎防衛副大臣が苦言を呈した。琉球新報は10日付1面トップ記事で「高市人気に『べったり』」と見出しを付け、記事本文でも5期連続の比例復活を「ゾンビ議員」と表現したからだ。

 これに対して宮崎氏は12日、「沖縄2区の有権者の方に失礼だ」とSNSを通して表明。「何度もこのような記事を書かれているのでなんとも思っていない」と説明した上で、「有権者に敬意を払うべき」と指摘した。同新聞が使用した表現はどちらも宮崎陣営の関係者の発言として取り上げられているが、宮崎氏の支援者からは「失礼」という意見に同感だとするコメントが付いた。

 宮崎氏は投稿した動画の中で最後に「テレビや新聞だけでなく、SNSの発信も見てほしい」と訴えたが、今秋の知事選に向けてもSNSを通した候補者の生の声が選挙戦の鍵を握るだろう。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »