トップ国内沖縄衆院選自民全勝 現行制下で初 共産党の「最後の牙城」陥落

衆院選自民全勝 現行制下で初 共産党の「最後の牙城」陥落

当確の速報を見て喜ぶ国場幸之助氏(前列中央)=8日、那覇市の選挙事務所
当確の速報を見て喜ぶ国場幸之助氏(前列中央)=8日、那覇市の選挙事務所

 衆院選挙が8日に投開票された。1996年に小選挙区制になってから初めて、自民党候補が沖縄県内四つの選挙区すべてで勝利した。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力は、2014年に結成して以来、小選挙区で初めて全敗。共産党は、全国で唯一小選挙区の議席を持っていた1区の「最後の牙城」が陥落した。首都から最も離れた県にも「高市旋風」が吹いた選挙となった。(沖縄支局・竹澤安李紗、写真も)

 8日午後10時20分すぎ、1区・那覇市の自民前職の国場幸之助氏の事務所で、当選確実のテロップがテレビに流れると、集まった70人近くの支援者らから大きな歓声が巻き起こった。勝因について、国場氏は離島視点の物価高対策を打ち出したことと、高市政権の実行力への「期待の表れ」と分析。離島振興や日米協定の不平等の是正など、自身が掲げた「公約の実現に取り組む」と決意を語った。2012年以来、14年ぶりとなる選挙区での勝利に、支援者の男性は「長年の夢がかなった」と涙ながらに祝いの言葉を贈った。

 同区は前回まで、地元に一定の基盤を持つ下地幹郎氏(無所属)と国場氏が6回連続で保守票を分け合い、結果的に共産党の赤嶺政賢氏が漁夫の利を得ていた。今回、下地氏は出馬しない代わりに、新党「中道改革連合」支持を表明していた。ところが1区で中道の候補が立たず、公明党沖縄県本部は自主投票になった。

 赤嶺氏は7日、那覇市のショッピングセンター前で行った最後の訴えで、玉城デニー県知事と共に高市政権批判に徹したが、届かなかった。赤嶺氏は落選を受け、「オール沖縄の期待に応えられず、本当に残念な結果」と支援者らにおわびし、「これからも辺野古の“新基地”に反対する戦いを強めていく」と語った。

 2区は、中道前職の新垣(あらかき)邦男氏が昨年、社民党を離党したことでオール沖縄勢力が分裂した。1区同様、構図が変わったが、自民の防衛副大臣の宮崎政久氏が勝利。現在の選挙区になってから自民候補が小選挙区で勝利するのは初めてとなった。オール沖縄と社民党の溝は深まる一方だ。

 3区は、前回24年に続き自民前職の島尻安伊子氏が当選。「物価高から国民を守る」と掲げ、国からの交付金拡充を打ち出した島尻氏が、中道から出た屋良朝博氏に約2万6000票差をつけた。屋良氏は落選を受け「私の不徳の致すところだ」と肩を落とした。

 4区は、前回に続き自民前職の西銘恒三郎氏が、オール沖縄が分裂した選挙戦で他候補に大きく差をつけ、勝利した。

 選挙戦で自民党沖縄県連は、小泉進次郎防衛相や茂木敏充外相、小野田紀美経済安保担当相など、知名度の高い大臣や幹部クラスを呼んだ。演説動画がSNSで拡散されるなど、一定の成果を挙げた。また、高市首相の顔写真が大きく入ったポスターや広報を使って「高市人気」を利用する自民候補もいた。

 NHKの出口調査によると、1区の有権者の関心は「物価高対策・経済政策」が52%を占め、「外交・安全保障政策」は9%にとどまった。県内の50代有権者は「理想だけを訴える候補よりも、現実的な経済政策を訴えている候補を支持する」と答えた。物価高に苦しむ県民と、辺野古反対を訴えるオール沖縄との間でズレが生じている。

 玉城デニー知事は8日、2区の新垣氏の事務所で「われわれの力不足」と謝罪し、「結果を厳粛に受け止めたい」と語った。長年、オール沖縄は国政選挙で自公候補に対峙(たいじ)してきた。地元メディアは今回の結果に対し、オール沖縄にとって「壊滅的な痛手」と報じた。

 今回の県内投票率を見ると、54・46%と、前回の24年よりも4・5ポイント上回った。期日前投票も前回よりも増え、無党派層の政治への関心は高まっている。今秋の県知事選で、自民党県連は知事選に弾みをつける結果となった一方で、オール沖縄勢力にとっては厳しい戦いとなることが予想される。

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