
新年を雨の中迎えた沖縄では、干支(えと)の午(うま)にちなみ沖縄固有の馬やその文化に熱い視線が注がれている。日本列島に古くからいる在来馬の8種類のうち、2種は沖縄に生息する。宮古島の宮古馬と与那国島の与那国馬だ。
どちらも地面から肩甲骨までの高さが110センチ~120センチと小柄な馬だが、島の生活に欠かせない存在だった。宮古馬は硬い蹄(ひづめ)を持ち、サトウキビを搾り運ぶ農耕馬として貢献した。与那国馬は力持ちで、農耕のほか島の移動手段として活躍してきた。おとなしく人懐っこい性格を持つ与那国馬は現在も観光資源として人気で、今年は島を訪れる人が増えそうだ。
この2種は琉球王朝の時代から戦前まで約300年続いた琉球競馬「ンマハラシー」で使われていた。沖縄の方言でウマは「ンマ」という。競馬といっても速さを競うのではなく、着飾った馬の走る美しさを競うもの。
沖縄は1930年ごろに4万頭以上と、国内有数の馬の飼育数を誇った。畑作や運搬で重要な役割を果たしていた馬は価値が高く、重宝されていた。王朝時代から士族の間で始まった琉球競馬は近代まで地域に根差していた。各地のあらゆる行事で琉球競馬が開催されるほど、住民の娯楽として人気を集めたが、戦時下でなくなってしまったという。
琉球競馬を復活させようと、沖縄市の複合体験施設「沖縄こどもの国」は2013年に「ンマハラシー」を再現した。採点基準は足並みやリズムの良さだ。今年も18日に開催される。
今年は沖縄の大切な財産である「ンマ」を後世につなぐ意識がより高まる一年になるだろう。(A)






