
不適切な運営が問題となり6月に閉鎖した沖縄県のワシントン事務所問題を巡り、県は11月14日、報告書を公表し、事務手続きなどに瑕疵(かし)があったと認め、職員6人の処分を決定。玉城デニー知事は自身の減給議案を議会に提出する方針を示した。一部の県民からは「責任追及が甘い」と県政を批難する声が上がっている。(沖縄支局・竹澤安李紗、写真も)
故翁長雄志前知事が公約に掲げ、2015年に米首都ワシントンに設置したワシントンDCオフィス社、いわゆるワシントン事務所は約10年間、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対など米軍基地問題の情報発信や、知事訪米時の手続き業務などを担当してきた。
ところが24年末、県議会で同事務所が株式会社として登録されていたことが発覚した。以降、県職員が違法な状態で米国に滞在したことなど、次々と問題点が明らかになった。
県は25年11月14日、92ページに及ぶ「ワシントン駐在の活動及びワシントンDCオフィス社の設立経緯等に関する報告書」を公表。ワシントンDCオフィス社の設立について、県として文書による意思決定は行われなかったことが判明した。
県は「事前の検討不足や関係法令の理解不足に起因して、文書による意思決定や必要な手続の整理が欠如し、法定の手続がなされない状態が続くこととなった」と結論付け、瑕疵を認めた。県は同13日付で、関係職員37人のうち、1人に文書訓告、5人に口頭訓告を行った。玉城知事は自身の減給議案を議会に提出する方針を示した。
現在も、県議会に設置されたワシントン駐在問題特別調査委員会(百条委員会)で調査が続いているが、玉城知事は早期再開を目指すとし、県のホームページにも「県民の皆様に十分納得いただける新たな体制を構築した上で、可能な限り早期に再スタートしたい」との考えを示している。
一連の県の対応を批判する集会が12月13日、那覇市内で開かれた。一般社団法人日本沖縄政策研究フォーラムが主催した。「ワシントン事務所停止の真相解明を求める県民の会」会長を務めるつきしろキリスト教会(南城市)の砂川竜一牧師は「県政の問題点を県民に広く伝え、是正していかなければいけない」と訴えた。
百条委員会の委員を務める新垣淑豊(あらかきよしとよ)県議が出席し、「証人喚問の段階に進んでいる」と現状報告した。新垣氏は「ワシントンDCオフィス社が委託していた株式会社ワシントンコア社の事業者を日本(沖縄)に召致するのは困難」と説明。オンラインで証言を聞き出す方法も模索しているが、両国の承認を得るなどハードルが高いという。また新垣氏は「海外を経由した委託事業はブラックボックスになりやすい」と指摘。今後、沖縄県が南米などに連絡所を展開する場合、「議会がチェックできる体制を整えなければならない」と述べた。






