
沖縄県民は歩かない――。
車社会の沖縄でよく聞くフレーズだが、子供たちが歩いて通学している姿もあまり見ないことに気が付き、詳しく調べてみたところ、衝撃の結果を目にした。
沖縄振興開発金融公庫が今年6月に発表した調査報告書によると、小・中高生の27・6%が自家用車で通学しているという。さらに高校・大学生になるとその数は44%に増え、約半数が車で通学している状態だ。本土の高校生が電車や自転車で通学するのとは対照的に、沖縄では、子供たちも「車社会」になっていたのだ。
その背景にはまず、鉄道網の不在がある。沖縄には鉄道が存在しない。唯一あるモノレールも、那覇市の中心部しか走っていない。本土であれば、都市部はもちろん、地方都市でも、学校近くに鉄道の駅やバス停があり、公共交通で通える場合が多いが、沖縄ではそもそも徒歩圏で完結する生活モデルが成り立たないのだ。加えて、通勤通学時間帯はバスの遅延も多く、それなら「車で送ってもらおう」となってしまうのだろう。
ここまで読んで、「なぜ自転車を使わないのか」と思った読者も多かろう。実際筆者も、高校生の頃は毎日約10㌔の道のりを自転車で往復した。しかし、多くの県民は自転車には乗らない。自転車産業振興協会の2021年の調査で、県民の自転車保有数が全国46位だったことからも明らかだ。理由としては、坂の多さや塩害、変わりやすい天候などが考えられる。
一方で近年、好きな駐輪場で自転車を借りて好きな場所で返せる「シェアサイクル」の利用が県内で広まりつつあるという。
電動自転車の普及を契機に自転車の利用が増え、交通渋滞の緩和と県民の運動不足が解消されることを願いたい。
(K)





