トップ国内沖縄〝陸自エイサー隊〟が初参加  第70回全島エイサーまつり 沖縄市で開催  市民から大きな拍手と歓声

〝陸自エイサー隊〟が初参加  第70回全島エイサーまつり 沖縄市で開催  市民から大きな拍手と歓声

エイサーを披露する陸自第15旅団の隊員ら=12日、沖縄市の胡屋十字路(川瀬裕也撮影)
エイサーを披露する陸自第15旅団の隊員ら=12日、沖縄市の胡屋十字路(川瀬裕也撮影)

専門家ら指摘

 沖縄市で9月12日から3日間にわたり開催された第70回沖縄全島エイサーまつりに、陸上自衛隊第15旅団(那覇市)の隊員らでつくるエイサー隊が初参加し、沿道に詰め掛けた市民から大きな拍手と歓声を浴びた。しかしこれを巡り、事前に一部市民団体らが伝統にそぐわないとの理由で自衛隊の出演取りやめを要求していた。これらの動きに対し専門家からは、県の差別禁止条例に違反するとの指摘も上がっている。(沖縄支局・川瀬裕也)

 まつり初日の12日夕暮れ、太鼓の響きと共に30人以上の自衛隊員が整然と列を成し出演団体のトップバッターとして演舞を始めると、会場は一気に沸き立った。「迫力がすごい」「かっこいい」との声が飛び交い、観客らもリズムに合わせて手を叩(たた)いた。

 これに先立ち、まつりへの自衛隊員出演の取りやめを求めたのは、「止めよう辺野古新基地沖縄市民会議」や遺骨収集団体「ガマフヤー」など一部の革新系市民団体だった。

 「(自衛隊員の参加は)県民感情からして許されない」「祖先供養の伝統行事に自衛隊はふさわしくない」などの理由で、相次いでまつりの実行委員会や、同実行委員長である花城大輔沖縄市長に対して出演の中止を求めていた。

 これに対し実行委側は「取りやめを求める考えはない」と明言。第15旅団も「公務ではなく隊員たちの私的活動」だとした上で、予定通り出演を果たした。

 こうした一部の反自衛隊の動きについて警鐘を鳴らす声もある。安全保障や沖縄の政治活動に詳しい日本沖縄政策研究フォーラムの仲村覚理事長は、次のように語る。

 「『自衛官だから出演させない』などとする一連の動きは、『沖縄県差別のない社会づくり条例』(2023年4月施行)の理念に明らかに反するものであり、職業を理由にした差別に該当する恐れがある」

 その上で仲村氏は、これらの動きには、自衛隊と地域住民との分断を煽(あお)る目的があると指摘。「一部の反自衛隊の声が、県民の総意であるかのような印象操作に利用されないよう、自衛隊歓迎の声もしっかりと上げていかなければならない」と語る。

 まつりへの自衛隊の参加を巡る賛否について、県内で議論が白熱しているかのように地元メディアなどでは連日報じられていた。しかし、当日の会場で響いていたのは抗議の声ではなく、自衛隊員らに向けられた温かい拍手や歓声だった。

 8月には、自衛隊と米軍による日米合同コンサート会場に、反対派が抗議に押し寄せる事件も発生しており、近年の反自衛隊活動は文化行事にまで及んでいる。文化活動から自衛隊を排除することは、自衛隊と地元住民との間に亀裂を生じさせ、自衛隊員やその家族に対する差別につながるだけでなく、地域の安全保障そのものにも影を落としかねない。

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