トップ国内沖縄高良鉄美氏、出馬を断念 「オール沖縄の団結損なう」懸念

高良鉄美氏、出馬を断念 「オール沖縄の団結損なう」懸念

参院選へ保革で準備加速

出馬を断念した高良鉄美氏=本人SNSより

夏の参議院選挙を控え、県内(沖縄選挙区)で準備の動きが加速する中、2期目に向け立候補を表明していた現職の高良鉄美参院議員=社会大衆党(以下、社大党)委員長(役職停止中)=が17日、出馬を取りやめると発表した。昨年の衆院選で社大党議員が「オール沖縄」の候補者を支援しなかった問題で、内部で軋轢(あつれき)が生じていた。一方、自民党県連は、那覇市議の奥間亮氏の擁立を決め、準備を進めている。
(沖縄支局・川瀬裕也)

自民県連は奥間亮氏を擁立

参院選の候補を巡って、「オール沖縄」内部では不協和音が続いていた。発端となったのは昨年の衆院選。社大党所属の瑞慶覧(ずけらん)長風県議らが、沖縄4区のオール沖縄統一候補だった金城徹氏=立民=を支援しなかったことから、立民を中心に社大党および高良氏に反発が強まっていた。

この騒動の背後には、金城氏の有印私文書偽造問題があった。金城氏は昨年9月、2021年に自身が代表を務めた政治団体の収支報告書で、会計責任者ではない人物が名義を偽り押印していた事実を認め謝罪している。

この問題を厳しく追及したのが、沖縄4区でれいわ新選組から立候補した山川仁元豊見城市長だった。山川氏は、「自民の不正を追及する側が不正をするなどあってはならないことだ」と、金城氏を厳しく批判した。

内情を知る関係者によると、「高良氏率いる社大党の瑞慶覧氏と平良識子県議が、山川氏の姿勢に賛同し、愛知県でれいわの候補を応援したことで、金城氏と対立する構図が鮮明になった」という。

自民公認候補の奥間亮氏=那覇市議会ホームページより

同選挙期間中に沖縄入りしたれいわの山本太郎代表が、オール沖縄を「選挙互助会に落ちぶれた」「歴史的な役割は終えた」とこき下ろしたことで「オール沖縄内部の亀裂がさらに広がることとなった」(同)。結果的に金城氏は得票数2位で落選。山川氏の得票数は3位だったものの、比例での復活を果たした。

これらの騒動を重く受け止めたオール沖縄4区の選挙支部「4区ひやみかち・うまんちゅの会」は、内部の体制が乱れた事などに対する責任を取るよう社大党に要請。これを受け社大党は、2月26日付で高良氏を結党以来初の「委員長役職停止処分」としていた。

その中で3月17日に突如行われた会見で高良氏は、「私が2期目に出馬することで、オール沖縄の団結を損なう可能性があるという懸念から、次期参議院選挙への出馬をしないことを決意しました」と、断念した理由を語った。

地元紙などは、オール沖縄内部では、新たな候補者として沖縄大学教授の高良沙哉氏や、前県議の比嘉京子氏らの名前が挙がっているとしている。今月中の決定を目指し調整が進められる見込みだ。

一方、オール沖縄に対抗する自民党県連は、2月23日に候補者選考会を開き、那覇市議の奥間亮氏を公認候補として擁立することを決めている。また参政党からは、大学教授の和田和久氏が公認候補として立候補すると表明している。

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