トップ国内沖縄責任の所在「県にある」ワシントン事務所問題

責任の所在「県にある」ワシントン事務所問題

初代所長 平安山英雄氏

インタビューに応じる平安山英雄氏=10日、沖縄県宜野湾市内

沖縄県が米国に設置した「ワシントン事務所」が営業実態のない株式会社として登録されていたことなどが発覚した問題で、県議会は調査特別委員会(百条委員会)で真相究明を進めている。同委員会に参考人として出席した平安山(へんざん)英雄初代所長は10日、世界日報などのインタビューに応じ、一連の問題の責任の所在は県にあるとの認識を示した。
(沖縄支局・川瀬裕也、写真も)

百条委で新たな疑惑も浮上

ワシントン事務所は、故翁長雄志前県知事が2015年、初当選時に設置し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対に関する情報発信や知事訪米時の手続き業務などを担ってきた。

ところが昨年、同事務所は、県が100%出資する株式会社として登録されていたことが発覚。また、県は事務所設立時に取得した株式を公有財産として登録しておらず、経営状況などの報告書類も8年間議会に提出してこなかった。

これらの問題が「地方自治法に違反している」として昨年、自民・公明・維新の3会派が県議会に監査動議を提出し、復帰後初の監査請求が行われ、百条委が設置されるに至った。

7日に開かれた百条委の参考人質問では、初代所長の平安山氏が出席。同事務所設置の経緯について尋ねられると、「一切関わっていない」と語り、あくまで県の職員として派遣された立場であると主張。また、「株式会社との認識はなかった」とした上で、同事務所を「特殊法人」として捉えていたと明かした。

同様に参考人として出席した初代副所長の山里永悟氏が業務引き継ぎの際、2代目所長から「株式の公有財産登録をまだしていない」との内容の発言を聞いたと明らかにしたことで、県の手続き上の不備が早期に発生し、担当者にその認識があった可能性が浮上した。

そのような中で、平安山氏は10日、世界日報などのインタビューに応じ、一連の問題について、責任の所在は「県にある」との認識を示した。その上で、事務所設置の経緯について、「県がしっかり答えるべきものだ」と、責任の所在が曖昧になっている現状に不満をにじませた。

また平安山氏は、自身の立場について、「あくまで公務員として、県の指示で業務に当たった」と語り、「(事務所の)設置自体に関われるはずがない」と強調した。その上で、同事務所が「本当に法に触れるものであれば、正さなければならない」と語った。

平安山氏は米国国務省(在沖米国総領事館)で勤務した後、15年4月から17年3月までワシントン事務所の初代所長を務めた。

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