トップ国内沖縄「オール沖縄」衰退顕著に 沖縄市長選 花城氏圧勝

「オール沖縄」衰退顕著に 沖縄市長選 花城氏圧勝

当確が出て、支持者とバンザイする花城大輔氏(手前左から3人目)=1月26日、沖縄県沖縄市の選挙事務所

現職の死去に伴う沖縄県沖縄市長選挙が1月26日、投開票され、保守系無所属新人で元県議の花城大輔氏(53)=自民、公明推薦=が、玉城デニー知事や革新系団体「オール沖縄」の支持を受けた無所属新人で元県議の仲村未央氏(52)=立民、共産、社民、社大推薦=を破り、初当選した。近年「オール沖縄」勢力の連敗に歯止めがかからず、衰退が顕著になっている。
(沖縄支局・川瀬裕也、写真も)

玉城知事も距離を取る

「団体のオーナーではない」

投開票日の26日午後10時ごろ、花城氏の選挙事務所には新市長誕生の瞬間を一目見ようと、入り切らないほど大勢の支援者らが詰め掛けた。午後11時前に、地元紙などが一斉に花城氏の当確を報じると、集まった人々は歓声を上げて祝福した。

任期中に死去した桑江朝千夫前市長の市政継承か刷新かを争点に繰り広げられた同市長選挙で、花城氏は沖縄アリーナやプロバスケットボールW杯の成功など前市政の功績をアピール。国と連携した新たな振興策などを掲げて支持を広げ、3万1267票を獲得し、8466票差で圧勝した。

当確を受け花城氏は、「桑江(前)市長を高く評価している人が多かった」と勝因を分析。「『沖縄市を守ることができました』と(桑江氏に)報告したい」と笑顔で語った。一方で敗れた仲村氏は、「訴えが浸透しなかったことは、力不足だった」と記者団に語った。

仲村氏は、「政治的対立や分断を市民生活に持ち込ませない」を合言葉に、市民に寄り添う政策を訴えたが及ばなかった。仲村氏陣営で開票状況を見守っていた玉城知事は、記者団に対し、「大変残念な結果だ」と語り悔しさをにじませた。

近年「オール沖縄」勢力の敗北が続いている。1月19日に投開票された宮古島市長選挙で、保守系候補が勝利したことにより、県内11市全ての市長を失ったオール沖縄は、「市長奪還」を目指し、知名度で花城氏を凌ぐとされた仲村氏を据えて沖縄市長選に挑むも、巻き返すことはできなかった。

自民県連関係者は、沖縄市長選でのオール沖縄敗北について、「かなり深刻な打撃になったのでは」と推察する。同県連や公明など県議会野党は、今回の結果を足掛かりに、7月に予定される参院選や来年の知事選に向け結束を強めたい構えだ。

選挙から一夜明けた27日、オール沖縄の連敗についての受け止めを全国紙記者らから尋ねられた玉城氏は、「私は団体のオーナーでもなんでもない。私を支持している団体の一つと捉えている。その団体でさまざまな総括が行われるだろう」と語り距離を取った。

2014年に故翁長雄志氏が知事に当選して始まった「オール沖縄」県政は退潮傾向が著しい。玉城氏は今後、ますます厳しい立場に追い込まれそうだ。

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