トップ国内【連載】第2次高市改造内閣の課題(1)維新閣内、連立新たな段階へ

【連載】第2次高市改造内閣の課題(1)維新閣内、連立新たな段階へ

■万全の体制

 高市早苗首相は17日の記者会見で「決断と挑戦、そして実行の内閣だ」と強調し、「日本列島の隅々まで活発な経済活動が行き渡り、今を生きる国民も、また未来を生きる国民も、安全で安心して暮らせる国をつくる」と誓った。

第2次高市改造内閣が発足し、記者会見する高市早苗首相=17日午後、首相官邸(時事)
第2次高市改造内閣が発足し、記者会見する高市早苗首相=17日午後、首相官邸(時事)

 首相は20日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、役職希望アンケートを吟味し、「概(おおむ)ね本人の意向に沿った人事になった」と振り返った。その上で、「臨時国会には自民党として万全の体制で臨めるようにしたい」と意気込んだ。

 第2次高市改造内閣では、閣僚18人のうち8人が留任し、初入閣は7人だ。外相、財務相、防衛相などの主要閣僚が残ったため人事に刷新感はない。ほぼ全ての閣僚を自身に近いグループ「国力研究会」から起用した。自民党と日本維新の会による枠組みを成熟させながら政策を着実に前に進めたいという意思の表れだ。

 昨年の自民党総裁選で首相と争った4人のうち、総務相を退いた林芳正氏だけが閣僚・党四役から外れた。理由を問われた首相は「コメントは控える」と説明を避けた。来年秋の自民党総裁選に、林氏が石破茂前首相や小渕優子元選対委員長ら「党内野党」勢力を集めて出馬する可能性が高まったといえる。ただ、首相が高い支持率を維持していることから、脅威にはなり得ないという見方が主流だ。

■麻生氏が存在感

 第2次高市改造内閣の発足に合わせて、自民党の役員人事も行われた。その際、存在感を示したのは、自民党副総裁の麻生太郎氏だ。自民党職員を長年務めた政治評論家の田村重信氏は、世界日報の取材に「首相は支持率は高いのは強みだが、自身の派閥がなく党内基盤が弱い。政権を安定して運営するためには麻生氏の協力は欠かせない」と指摘する。

 参議院の重要ポストである党参院幹事長は、野党とのパイプを持つ石井準一氏から青木一彦氏に交代した。当初は、首相に近い有村治子総務会長や旧安倍派の岡田直樹氏の名前も挙がったが、いずれも固辞したとされる。首相は「参院の人事権はない」と関与を否定したが、首相の意向があったとみられる。

 田村氏は、閣僚・役員人事で「辞めた人に注目が集まったのは異例のこと」と話す。「参院では過半数割れしているから丁寧な国会運営が必要になる。参院の国会運営への不安は残っており、新たな火種になり得る」

少数の参院、丁寧な運営が鍵

■維新「責任共有」

 首相は、維新の「閣内協力」を「自民・維新連立政権が新たな段階に進む象徴となるもの」と強調した。

 維新の吉村洋文代表は18日、大阪府庁で記者団を前に「(維新として)内閣に入って責任を負う判断をした。能力重視内閣なので公約を実行していくということを、維新も責任を共有してやっていきたい」と気を引き締めた。

 維新の中司宏前幹事長が規制改革担当相という新設のポストで入閣した。就任後初の記者会見で中司氏は、「しがらみのない維新の閣僚だからこそできる改革をしてほしいという期待に応えたい」と抱負を述べた。

 今年6月中旬には、維新が「改革のセンターピン」と位置付ける衆院議員定数削減を巡り、自民の鈴木俊一幹事長に「会期内に収まらなければ延長してでも成立させてほしい」と強く迫った。

 定数削減法案は昨年の臨時国会に続き、今年の特別国会でも成立が見送られた。定数削減については、10月5日に召集される臨時国会で法案成立を目指す。与野党が10月末まで協議する予定だが、野党の強い反発があり、先が見通せない状況だ。

 こうした中、維新としては、中司氏を閣内に送り込むことで政権内での影響力を高めたい考えだ。

 首相は17日の記者会見で、維新との閣内協力について「連立政権が新たな段階に進む象徴だ」と語った。

■連携確かなものに

 前出の田村氏は「約1年間、様子を見る中で、連携が確かなものになったという確信が維新側にあった」と話す。副大臣、政務官も入れて、連立政権の枠組みにまで発展した。

 維新は高市政権の政策実現のアクセル役を自負する。先の特別国会では、皇室典範改正案が7月17日成立した。同25日には、維新の肝煎り政策で、首都機能を代替する「副首都」関連法案が成立した。今年10月下旬に副首都の指定要件を定めた政令が公布された後、道府県の申し出に基づいて首相が副首都を指定する。

 副首都構想の担当相を兼務する藤井比早之総務相は20日のNHK討論番組で、「副首都」の指定について「複数(の都市)を考えている」と述べた。大阪以外では北海道と宮城、群馬、愛知、広島、福岡の5道県が申請を検討しているとされる。野党の「大阪ありき」との批判を克服するには、客観性・透明性を確保する必要がある。

(豊田 剛)


 第2次高市改造内閣が17日発足した。来年度予算案の編成や消費税減税、議員定数削減、対中関係をはじめ緊迫する東アジア情勢、スパイ防止法制定など、山積している課題を整理する。

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