2030年までに陸と海のそれぞれ30%以上を生態系として効果的に保全する目標達成に向け、環境省は8月31日、NGOや企業、自治体などと取り組み状況や今後の方向性を議論した。
飲料大手のサントリーホールディングスは、工場の水源エリアで間伐や植樹などの整備を行う「天然水の森」活動を報告した。同社の水源エリアの8カ所が、生物多様性保全の活動が行われている区域「自然共生サイト」として環境省から認定されている。
今後の課題として、土地所有者や地元住民に対する取り組みへの理解や共感、合意形成の必要性を強調。さらに野生のシカが増加し、食害によって森の中の生物多様性が危機に瀕していることを指摘した。
土地の9割以上が森林だという岡山県西粟倉村では、生態系のために自然環境を保全するだけでなく、暮らしや産業、管理する人間などとつなげる仕組みを検討しているという。オオサンショウウオや魚類が川を移動できるよう仮設遡上路を設置したり、川の中に生物が暮らせる場所をつくる取り組みに、学校の児童・生徒や地域事業者が参加していると報告した。
世界自然保護基金(WWF)ジャパンは「2030年までに目標達成できても、絶滅リスクは減っていないという結果になってはいけない」と強調し、保護した環境の面積を重視するにとどまらない「量から質へのシフトが重要だ」と訴えた。







