トップ国内日本の歴史軸に立つ安倍氏、「疑惑」事実化狙うメディアー小川榮太郎氏が新著出版

日本の歴史軸に立つ安倍氏、「疑惑」事実化狙うメディアー小川榮太郎氏が新著出版

戦後体制脱却巡るリポート

 文藝評論家の小川榮太郎氏が今月、安倍晋三元首相の暗殺から高市早苗首相の第2次内閣発足までに至る4年間の政治リポート『約束のあと 安倍晋三から高市早苗へ』(飛鳥新社)を出版した。これに先立ち、小川氏は2012年に『約束の日 安倍晋三試論』を幻冬舎から刊行。第1次安倍政権が目指した「戦後レジームからの脱却」を巡る、安倍氏の信念と死闘を描いた一冊で、今回出した『約束のあと』はこの本を意識した題名となっている。安倍氏が身命を賭して挑んだ「約束」とは、果たして何だったのか。(石井孝秀)

「安倍晋三回顧展」のトークイベントに出席した文藝評論家の小川榮太郎氏=4日午後、東京・有明(石井孝秀撮影)
「安倍晋三回顧展」のトークイベントに出席した文藝評論家の小川榮太郎氏=4日午後、東京・有明(石井孝秀撮影)

反日左翼に挑んだ死闘

 「安倍の葬式はうちで出す」

 『約束の日』は冒頭、衝撃的な一言から始まる。これは第1次安倍内閣当時の朝日新聞社幹部の発言だという。これだけでも「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍氏に対する朝日新聞の憎悪が伝わってくる。

 今月4日に東京都内で開かれた「安倍晋三回顧展」で、小川氏は12年に同書を書き下ろした背景について言及した。民主党政権時代の当時、安倍氏の再登板運動を各界に説いて回っていたという小川氏は「一番の壁は保守派だった」と振り返る。第1次政権で参院選敗北にもかかわらず続投を表明したものの、安倍氏は突如辞任した。メディアに植え付けられた「政権を投げ出したひ弱なリーダー」という印象が根強かった。小川氏は「事実関係を丁寧にまとめないと説得できない」という思いから、『約束の日』の執筆を始めた。

 同書では戦後、反日左翼に覆われてきた日本の世論の現状を変えるべく、安倍氏が体当たりで挑むも朝日新聞などのメディアから徹底的な逆襲に遭い、挫折していくさまが描かれた。その一方で、もし安倍氏が再び政権の場に立てば、戦後レジームから解放された「日本人」として自立できる「約束の日」は遠い将来ではないと締めくくっている。

 当初は小冊子とするつもりだったが、草稿を見た安倍氏は小川氏に書籍化を希望したという。12年8月に刊行された後、9月末に行われた自民党総裁選で安倍氏は総裁、そして12月末には首相へと返り咲いた。

 回顧展で小川氏は安倍氏を、幕末の日本を憂えた吉田松陰、昭和戦後の左翼全盛を嘆いた三島由紀夫らになぞらえ、「『日本を取り戻す』という必然の歴史軸の中に立っていた」と強調する。

自民の裏切りを警戒

 今月出版された『約束のあと』では、安倍氏の死後、小川氏が心掛けたことについて、次のようにまとめている。「(安倍氏の)生涯の主題だった『戦後レジームからの脱却』を、決して挫折させず、後戻りすることのない既成事実にまで持ち込むという一事に尽きた」

『約束のあと 安倍晋三から高市早苗へ』(飛鳥新社)
『約束のあと 安倍晋三から高市早苗へ』(飛鳥新社)

 また、安倍氏の影響力を苦々しく思ってきたマスコミの動きにも触れている。銃撃事件直後、暗殺を奇貨として安倍氏を貶(おとし)めることや森友・加計事件などの疑惑の事実化にメディアが躍起になったとして、「長期的に安倍氏を貶める歴史戦の一環」「放置しておくと、安倍氏は今後書かれる各種歴史書、歴史教科書などにおいて、まったくいわれのない汚名を着せられる」と指摘。安倍氏の業績と共に「戦後レジームからの脱却」という信念すらも日本社会から抹殺し、歴史を安倍氏以前に戻そうとする動きに懸念を示した。

 だが現在では、高い支持率を維持する高市政権や公明党の政権離脱、立憲民主党など左翼政党の壊滅的状況について、政界における「イデオロギー上の革命の成功事例」と受け止め、「国民意識における『戦後レジーム』は終わった」と評価する。

 一方で小川氏は、自民党内の「裏切り」の可能性に強い警戒を示す。国民の人気が高いうちは「面従腹背」しつつ、「肝心なイデオロギー的な主題で『検討中』『先延ばし』を連発」し、安倍政権時代も政策から逃げ続けたのが今の自民党という指摘だ。自民党に向け「『保守』をアクセサリーとしてもてあそぶ自民党の不遜さは身に染みついて、ちょっとやそっとで変わるものではない」「イデオロギーに真摯に向き合わねば、若い政党に諸君らが潰される日は遠からず来る」とも警告している。

 18日に行われた出版記念会で、小川氏はマスコミなどを念頭に「国民も国会も正常化しつつある。それを頑強に否定しようとする勢力がいるが、次はここを国民の力で正常化しなければいけない。それが新しい次の戦いだ」と呼び掛けた。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »