トップ国内「しんぶん赤旗」集団解約の動き 東京23区で加速、管理職過半数に「心理的圧力」

「しんぶん赤旗」集団解約の動き 東京23区で加速、管理職過半数に「心理的圧力」

 政党機関紙の庁舎内勧誘・購読を巡るパワーハラスメントが全国的に問題になっている。東京23区では、港区や新宿区に続いて、葛飾区、板橋区、墨田区が調査結果を公開した。葛飾区では心理的な圧力を感じた管理職員が5割以上いるが、解約したくてもできない現実が浮き彫りになっている。(「しんぶん赤旗」勧誘問題取材班)

東京都葛飾区庁舎
東京都葛飾区庁舎

 葛飾区議会は、2026年第1回定例会で、「政党機関紙の庁舎内勧誘行為に関する早期の実態把握と再発防止を求める請願」を採択した。新宿区で共産党機関紙「しんぶん赤旗」の庁舎内押し売り問題が顕在化したことを受けたもの。

 「政党機関紙の庁舎内勧誘行為に関するアンケート」は5月14~22日に実施された。対象となる管理職115人中103人が回答。結果は6月11日の総務常任委員会で公開された。

葛飾区など調査結果公開

 政党機関紙を購読しているのは78人。その理由として、67人が「勧誘された」ことが分かった。購読している人のうち、心理的な圧力を感じたのは44人で過半数に達した。「取りまとめて解約を行うとしたら、今後の政党機関紙の購読をどのように考えますか」に対して、購読をやめたいとの回答は58人だった。やめない理由として、「関係性の悪化が心配」「議会対応の支障となるのが不安」が挙げられた。

政党機関紙を購読している理由は何か
政党機関紙を購読している理由は何か

 葛飾区は今後の対応として「区議会議員からの政党機関紙の購読勧誘に対し、購読継続を希望しない者が相当数存在することが明確になったことから、解約希望者の取りまとめを行う」としている。管理規則の見直しも行う予定だ。

取りまとめて解約を行うとしたら購読をどのように考えるか
取りまとめて解約を行うとしたら購読をどのように考えるか

 板橋区の調査では、管理職138人を対象に調査し、109人が回答。心理的圧力を感じたのは39人で、勧誘を受けた人の55%だった。自由意見では、「勧誘を断ることで今後の関係性に影響が生じるのではないか、という不安」「悪しき習慣であるため、政党機関紙の勧誘禁止や許可なしの執務スペースの立ち入り禁止などを行うべきと考える」などが列挙された。

勧誘を受けたとき、心理的な圧力を感じたか
勧誘を受けたとき、心理的な圧力を感じたか

 また、墨田区は、区議会議員による区職員へのハラスメント実態調査を行った。係長級職員を含めた81人が回答し、過半数に当たる44人がハラスメントを経験または見聞きしたことが分かった。ハラスメントの具体的内容については、8人が「各種機関紙(政党・団体等)の購買勧誘」と答えた。

 自由記述欄には、「政党機関紙は、過去における半ば無言の圧迫により購読せざるを得なかった管理職がほとんどではないかと思料する。しからば、他区の事例の様に総務部が取りまとめをして、購読終了希望者の解約をサポートしてはいかがか?」「ハラスメントとは言えないまでも若手管理職が断りづらい中で行われてきたものであると考える。いったんリセットした上で、希望する者は再度契約することが望ましい」などの意見があった。

職員保護へ認識広がる

 23区ではほかに、港区、新宿区、足立区、目黒区が調査結果を公開しており、同様の結果が出ている。

 アンケートを実施した7区のほか、荒川区では調査が始まっており、千代田区と中野区は勧誘禁止の措置を出している。大田区、北区、江東区では、陳情が継続審議されている。東京都全体では、都が勧誘を禁止。13市が陳情を採択しているか、または勧誘の禁止を表明している。

 「パワハラから職員を守る東京都民の会」の村上誠代表は本紙の取材に対し、「3年前は陳情を出しても議員配布にとどまることが多かったが、今では23区の半数以上が何らかの対応を取るようになった。赤旗の押し売りはパワハラであり、職員を圧力から守るべきだという認識が社会全体に広がってきた」と感慨深げに語った。「ここで手を緩めることなく、東京から不適切な赤旗勧誘をなくすまで取り組みを続けたい」と誓った。

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