沖縄県名護市辺野古沖で、研修旅行中だった同志社国際高校(京都府京田辺市)の生徒を乗せた船が転覆した事故を受け、文部科学省は22日、事故の経緯や学校対応についての調査結果を発表した。米軍普天間飛行場の移設工事に関する学習が、政治的中立を定める教育基本法14条に違反すると指摘し、高校と運営する学校法人同志社(京都市)に是正を求めた。
松本洋平文科相は閣議後記者会見で、「学校法人としての管理体制や学校としてのガバナンスに大きな問題があり、責任は極めて重い」とした上で、「安全管理、教育活動の状況などで著しく不適切だったと考える」と述べた。教育基本法に反する理由について、辺野古移設を巡る学習で「さまざまな見解があることを生徒に十分に提示したことが確認できず、特定の見方・考え方に偏った扱いだった」と説明した。
調査によると、同校は2015年から18年の研修旅行の生徒向けしおりで抗議の座り込みに参加を呼びかける文章を掲載した。教育基本法の06年改正以来、文科省が政治的中立性を理由に同法違反を認定するのは初めて。
事故は3月16日に発生。「平和学習」の一環として普天間基地の移設工事が進む辺野古を海上から見学する際、小型の抗議船2隻が相次ぎ転覆した。2年生の武石知華さん(17)と金井創船長(71)が死亡した。
文科省は同校に対し、平和教育の実施内容や研修旅行中の安全管理も含めて調査を実施。4月24日には、職員が学校法人同志社を訪れ、聞き取りを行っていた。
調査結果では、各学校が行う沖縄での平和学習についても、政治的中立性を保ち、教育が偏らないよう実施されるべきだとの見解を示した。武石さんの遺族はインタネット投稿サイトで「全容解明や再発防止に向けて大きな前進となるもの」と評価した。
全国の複数の学校で、沖縄での学習に偏りがあるとの証言が相次いでおり、調査を急ぐ必要がある。






