トップ国内【連載】皇室典範改正―安定的継承の行方 (下)秋篠宮家批判に中国の影

【連載】皇室典範改正―安定的継承の行方 (下)秋篠宮家批判に中国の影

皇居二重橋の前で写真を撮る人々=2020年2月、東京千代田区
皇居二重橋の前で写真を撮る人々=2020年2月、東京千代田区

 国民から高い人気を誇る愛子内親王殿下への皇位継承を願う愛子天皇待望論がある。各種世論調査では、女性天皇を認めるべきという意見が過半数に上っている。読売新聞が2025年9~10月に行った調査では、女性の天皇を認めることに、「賛成」が69%、皇位継承で「女系も認める方がよい」が64%だった。3月の産経新聞の調査では、皇位継承は男系男子に限るのが適切かについて「反対だ・どちらかといえば反対だ」が計55・8%で、「賛成だ・どちらかといえば賛成だ」(計39・1%)を上回った。

 こうした〝民意〟を背景に立憲民主党元代表代行の蓮舫参院議員は3月16日、参院予算委員会で「世論は6割、7割、8割、愛子天皇を認めるという声がある。女性天皇への法改正へ歩みを進めるか」と高市早苗首相を問い詰めた。

 イギリスをはじめとする世界各国の王室は男系男子の伝統が途絶えており、万世一系を維持しているのは日本だけだ。

 かつて「天皇制打倒」を掲げていた日本共産党は2004年、当時の不破哲三議長が天皇廃止論を封印し、「女系天皇」を容認し始めた。その背景には、男系継承の伝統を壊すことで皇室の正当性を弱め、将来的に廃止させたい狙いがある。

 国家基本問題研究所理事長でジャーナリストの櫻井よしこ氏は、皇室を解体したい中国などの外国勢力や共産党の影響を注意喚起している。

 20日に開かれた「皇室の伝統を守る国民の会」の国民会議で櫻井氏は、度を越した皇室バッシング、中でも秋篠宮家に対する誹謗(ひぼう)中傷の発信元は香港であるという民間シンクタンクの研究を紹介。中国が日本に対して、姓・血筋が変わることで王朝が交代する「日本版易姓革命」をもたらそうとしているのではないかと警鐘を鳴らし、皇室と日本を弱体化させようとする中国の戦略によって国柄を失うことがあってはならないと訴えた。

 櫻井氏はまた、地方紙を装った偽ニュースサイトの偽情報を人工知能(AI)に学習させ、偽情報を蓄積させる〝情報工作〟に対しても注意を促した。

 SNSやネットで秋篠宮家に罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせる記事・動画があふれかえっている現状を、動物行動学研究家の竹内久美子氏が危惧している。

 日本にとって40年ぶりとなる皇族の成年式が25年9月6日に行われたが、報道は祝賀ムード一色ではなかった。雑誌メディアやネットは秋篠宮家と宮内庁との不和説などネガティブな記事を書きたてた。竹内氏は、悠仁殿下の存在感を薄めることで、男系による皇位継承の流れを不安定にさせようとする意図的な動きがあると分析している。

 竹内氏によると、週刊新潮や週刊文春、女性自身、女性セブン、そしてプレジデントオンラインなどの媒体は、事あるごとに同様の論調で報道している。秋篠宮家への祝意を表すコメントが反映されなかったり、反論を試みても激しい攻撃を受けたりするなど、中立的な議論が困難な「めちゃくちゃな言論空間」があふれかえっていたが、ようやく改善の兆しが見えるという。

 中道改革連合の小川淳也代表は3月27日の記者会見で「女性天皇を生きているうちに見てみたい」と発言し、後に撤回・謝罪した。国民の多くが「蓮舫氏や小川氏が言っていることだから日本のためにならないことだ」と気付いたと竹内氏は指摘し、男系男子の皇統を守りたい側にとって援護射撃になっていると皮肉を込めた。

(報道部)

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