
関西の奥座敷として親しまれている有馬温泉。兵庫県神戸市北区に位置しており、六甲山地北側の山峡に広がっている。
歴史は長く、『日本書紀』に舒明(じょめい)天皇が7世紀前半にこの地を訪れたと記述されている。奈良時代には高僧・行基がここの温泉を使って、疾病治癒を始めたと伝えられている。
そして、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で話題の豊臣秀吉と秀長が湯治場として愛し、現在の温泉街の礎を築いたことで知られている。秀吉が造った露天風呂の遺構も残っている。足利義満や文人の谷崎潤一郎など著名人が多く訪れており、その足跡を辿(たど)るのも楽しみの一つ。

有馬温泉は、泉質、温泉施設、グルメ、アクセスの良さという温泉地が求めるすべての要素を持ち合わせている西日本最強の温泉地と言っていい。

泉質は折り紙付き。赤茶色に濁った名物湯「金泉」と、無色透明な「銀泉」という2種類の温泉が楽しめる。中でも金泉は海水以上に塩分が濃厚で、体の芯まで温まることができる。
交通アクセスは良く、山陽新幹線の新神戸駅からバスで30分ほどで着く。神戸空港から直通バスも出ており、神戸市街から行く場合は、電車を乗り継いで行くのが便利だ。


有馬温泉駅は1年前に再整備されたばかりで、和風な装いで外国人観光客に喜ばれている。温泉街は駅前から広がっており、徒歩で回ることができる。昔ながらの木造家屋や石畳などレトロな雰囲気を楽しみながら名物の炭酸せんべい、神戸牛や温泉卵に舌鼓を打つのがお勧めだ。炭酸泉(炭酸水)が飲める水道は全国でも珍しい。
(文と写真・豊田 剛)






