

宮城4区は、東日本大震災で甚大な被害を受けた石巻市や、女川(おながわ)原発のある女川町など、太平洋沿いから山形県境近くまでの東西約80キロに及ぶ広い地域。
元立憲民主党で中道改革連合の共同幹事長・安住淳は、ダントツの知名度で11回目の当選を目指す。これに挑むのは、24年衆院選(比例東北)で初当選し、環境政務官を務める自民党の森下千里。地道な辻立(つじだ)ちを重ね、支持を集める。実質、安住と森下の一騎打ちの様相を呈している。
共同幹事長として全国遊説中の安住は1日、地元石巻に入り、ホテルで支持者らに演説会を開いた。「率直に申し上げて立憲民主党単独では、なかなか自民党に対抗するというわけにはいかなかった」として、公明党、れいわ新選組などの議員に声を掛けて中道改革連合を立ち上げた経緯を説明した。
「私が掲げている目標は二つだけ。一つは石巻の地域の人たちの幸せ。もう一つは自民党1強、これを壊して政権交代可能な二大政党をつくること。私の信念は30年間全く揺らいでいない」。こう述べた上で、他候補が県外出身であることから「本当に地元を分かっているのは私だけ。(他の2候補は)震災の経験もないし、あの時の大変さも全く知らない」と地元出身者である自身の強みを訴えた。
安住は「本当に厳しい戦い。そう簡単には勝てない」と、焦りを隠せない。SNSで逆風も吹いている。中道共同代表の斉藤鉄夫が、新党は「1週間前に生まれた、まだヨチヨチ歩きもできない、首も座っていない赤ちゃんでございます。これからなんです」と訴える動画に、「ヨチヨチ歩きもできない、首も座っていない赤ちゃんに日本は任せられない」など否定的なコメントが殺到。
また、安住が車の中で足を組んでクリームパンを食べる動画に、その姿が横柄だといった否定的な反応が集まると、街頭演説で「クリームパン食って悪いかバカ野郎!」と訴え、その動画が拡散されるなど、ここにきてマイナスイメージが広がりつつある。
安住に揺さぶりを掛ける森下には1日、元首相・安倍晋三の妻、昭恵が応援演説に駆け付けた。「この地に根付いて辻立ちを重ねて、一人一人の皆さま方のお声をずっと聞き続けてきた。私はその姿を何度もそばで見てきた」と森下の苦労をねぎらった。「高市総理が主人の後を継いで、この日本を世界の中で咲き誇る立派な国に、日本に生まれてよかったと思えるような国にしていくと思う」と話し、国と地方が一体となって発展していくためにも森下を国政の場に送ることが必要と訴えた。
石巻に移り住んで5年がたつ森下は、「地域の課題も少しずつ解決できるようになった。クマ対策、メガソーラー対策などにも当たった」と、環境政務官としての実績を強調。「安倍晋三総理が日本全国各地に種をまいた。高市内閣の一員として、その種を皆さま方と共に芽吹かせ花を咲かせていきたい」と大勢集まった聴衆に声を枯らしながら支持を訴えた。
森下はSNSで「私はちっぽけなアリのような存在」「でも逃げない。諦めない」と真剣な表情で訴え、安住を猛追する。今回、ジャイアントキリング(番狂わせ)が起きる可能性もあるとの期待が膨らんでいる。
参政党宮城県連会長を務める佐野誠は、4児の父親として安心して子育てができる経済支援を訴える。「経済的な理由で子供を諦めよう、それ悲しくないですか」と強調。「子育て世帯は習い事一つとっても負担が大きい。手厚い支援策があれば、各家庭に余裕ができる」と、党が公約に掲げる子供1人当たり月10万円給付をアピール。子育て世代を中心に支持を訴えている。(敬称略)
(衆院選取材班)
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