トップ国内【連載】’26衆院選 注目区を行く(2)神奈川2区 菅元首相引退で新人乱戦

【連載】’26衆院選 注目区を行く(2)神奈川2区 菅元首相引退で新人乱戦

街頭演説に耳を傾ける有権者ら=27日夜、神奈川県横浜市のJR桜木町駅前(石井孝秀撮影)

 第99代首相の菅義偉(自民党)が政界引退を表明し、神奈川2区(横浜市西区・南区・港南区)では新人による争いがヒートアップしている。

 10回の当選を果たした菅は17日、自身のX(旧ツイッター)で「後進に道を譲る決意」をしたと投稿。後継に、25歳の若さで菅の秘書になり、政務担当の首相秘書官を務めた新田章文を選んだ。菅は26日、報道各社に対して、「政治に志ある者にできるだけチャンスがあるようにと考えて選定した」と述べた。新田は公示前、「今まで育ててもらった20年間に報いるように全力で頑張っていく」と意気込んだ。

 青い選挙ポスターには、「菅先生の意志を継ぐ」と記され、菅の後継者であることを大きく打ち出している。選挙初日、京浜東北線上大岡駅前で行った演説で新田は、菅の功績をそばで見守ってきた日々を振り返りつつ、「もっと大きな希望をつくっていかなければ」と強調。集まった大勢の聴衆に向けて「菅先生のつくってきた政治を受け継いで、日本の希望をつくっていきたい」と訴えるなど、菅の築いてきた支持層固めに注力する。

 さらに菅を「師」と仰ぐ防衛相の小泉進次郎も出陣の神事に参加、選挙カーに乗る新田を菅と共に見送る動画をSNSで公開するなど、強力なバックアップになっている。

 前回2024年の衆院選で立憲民主党から初出馬し、菅に7万票以上の大差をつけられた落語家の柳家東三楼(とうざぶろう)は、新党・中道改革連合の看板で臨む。自身のXに「母方の親戚は皆、創価学会、公明党の支持者」「母のルーツの茨城では農家の傍(かたわ)ら、聖教新聞を配達しています」と書き込むなど、創価学会員を意識した発信に力を入れている。

 横浜市営地下鉄上永谷駅で行った第一声では、これまで落語という伝統的な保守の世界で育てられつつ、さらに米国で芸術活動に取り組みながらリベラルな空気の中で成長してきたとして、自身を「(左右の)真ん中に立つ中道の申し子」とアピール。さらに自民の企業・団体献金を批判し、「クリーンな政治家を選んでいただき、まっとうな政治をつくる」と訴えた。

 28日には共同代表の野田佳彦がJR桜木町駅前広場に応援に駆け付け、自民の政治とカネの問題を批判しながら、反自民層へ強く呼び掛けた。

 菅は公明との強い信頼関係を築いてきただけに、公明票がどれだけ柳家に流れるかは不透明だ。ある中道関係者は、中道へのネガティブなイメージがあることを感じ、街頭で「悪く言われているが、決して(中道は)野合ではありません」と繰り返すなど、イメージ払拭に苦心する姿も見受けられた。

 自民と中道の争いに食い込みたい国民民主党からは、会社員の片山智絵が立候補している。苦学生だった経験から「お金がないだけで夢をなくすことがないように」と話し、国民の掲げる「手取りを増やす」政策の重要性をアピール。公示日には代表の玉木雄一郎がJR桜木町駅前広場で街頭演説を行い、片山ら神奈川の新人候補を「すばらしい若者。彼らがこれからの新しい国民民主党と新しい日本の政治の未来をつくっていく」と絶賛し、同党として神奈川を重要選挙区であると位置付けた。

 このほか、参政党の平本幸次郎と共産党の並木まり子が前回に続いて立候補している。(敬称略)

衆院選取材班

【連載】’26衆院選 注目区を行く(1)大阪2区 「都構想」推進派が激突 府市ダブル選挙に批判の声も

【連載】’26衆院選 注目区を行く(3)兵庫8区 公明が“牙城”撤退で混戦

【連載】’26衆院選 注目区を行く(4)宮城4区 自民 中道幹事長を猛追

【連載】’26衆院選 注目区を行く (5)沖縄2区 辺野古巡り「オール沖縄」分裂

【連載】’26衆院選 注目区を行く(6)北海道4区 自民、中道が互角の戦い

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »