

衆院選挙が27日、公示された。自民党は連立パートナーを日本維新の会に選んだ一方、公明党が立憲民主党と中道改革連合を結成し、国政の構図が大きく変わった。激しい選挙戦が展開されている注目区を取材した。(衆院選取材班)
大阪では自民は、過去2回の衆院選で、候補を擁立した全19選挙区で維新に敗れている。今回は、全選挙区に自民と維新がそれぞれ公認・推薦する候補者が立ち、与党同士の対決が鮮明になっている。
維新は2010年、当時府知事の橋下徹が都構想を掲げ、自民の利権としがらみの政治を批判しながら、「身を切る改革」をスローガンに勢力を伸ばした。
そんな中、大阪2区(大阪市生野区、阿倍野区、東住吉区、平野区)は自民元職・左藤章が、2021年に落選するまで“最後の砦(とりで)”を守った。国政復帰を画策したが公認を得られず、新党・中道からの出馬を検討した。しかし、政策が合わないことを理由に、公示直前になって出馬を取りやめた。
自民は、過去2度の選挙で左藤を大差で破った守島正を推薦。維新の牙城の一角を崩せるか注目される。
守島は維新代表の吉村洋文(前大阪府知事)と市議同期で、都構想を中心的に推進してきた。ところが、秘書給与の不正受給疑いと、党幹部らによる身内企業への政党交付金還流問題など、ガバナンスが行き届いていないことを理由に昨年9月に離党。11月に自民会派入りした。
阿倍野区の事務所前で行った公示日の第一声で守島は、「大阪維新の会は大好きです」と前置きした上で、吉村と維新副代表の横山英幸(前大阪市長)が衆院選に合わせて行う「出直しダブル選」に大義がないと強く批判。副首都構想を問う「住民投票を10年間で3回もお願いすることは市民にとっても役所にとっても大きな負担になる」とし、住民投票を経ずに自維で法案をつくることの重要性を訴えた。
守島は無所属のため、選挙カーやビラなどの活動が制限され、比例復活もない。「その分、機動力でカバーし多くの人に広く選挙の争点を伝えていきたい」と意気込む。
前市議で維新公認の高見亮は東住吉区の事務所前で選挙戦をスタート。自維連立政権で「2年間限定の食料品の消費税率ゼロを目指す」と訴えた。
出馬が決まったのは今月14日。今年に入って急転直下での解散総選挙で、高見にとって急ごしらえで選挙戦に突入した。
市議を10年務め、地域政党・大阪維新の会の政調会長を務め、都構想のプロジェクトリーダーとして関わってきた。高見は「大阪を前に進められる設計図になる」とメリットを強調する。演説では、「十数年間の大阪維新が議員定数を削減し、住民サービスを良くした。これを国政でもやりたい」と語り、東京と並ぶ都市に成長させる副首都・大阪の実現に理解を求めた。
ただ、維新大阪市議団は府知事と市長の突然の辞職・出直し選挙に、「大義が見えない」と反発している。有権者の男性は「2度の住民投票で否決された。今回はそれとはどう違うのか中身が分からない」と、投票の判断材料にしないと語った。
参政党公認の石橋篤史は、党スローガンの「一人ひとりが日本の未来を自分のこととして考えよう」と訴え、自民と維新の票分散で漁夫の利を狙う。
共産党の小川陽太は、「唯一のリベラル候補」(陣営関係者)とアピールし、中道の支持層の取り込みを図る。選挙実施に伴う府市の負担額は約28億円に上ることから、「税金の無駄遣い」などと維新批判を強めている。(敬称略)
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