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「ペット飼育の引き際考えて」 保護猫団体が呼び掛け

ごみが山積みとなった家に取り残されていた猫(落合第一地域ねこの会提供)

 少子高齢化が進み、独居老人も増える中で、犬や猫などのペットは高齢者の精神的な支えになっている。その一方で、飼い主の孤独死や健康問題でペットが放置状態となるケースが多発。保護猫活動に取り組むボランティア団体は「年齢を重ねればいろんな事情が出てくる。ペットの飼育は引き際も考えてほしい」と呼び掛けている。

 2011年から猫の保護活動などに取り組む民間団体「落合第一地域ねこの会」(東京都新宿区)の関きよ子代表によると、野良猫などを捕獲し、去勢手術を施した上で、地域の人々が適切に管理するという「地域猫活動」がこれまでの活動の中心だった。

 時間をかけて繁殖を防いだことで、現在では担当地域の野良猫数は大きく減少したものの、関代表は「介護関係者や警察を通じ、『一人暮らしの高齢者が倒れた。猫を飼える状態じゃないので引き取ってほしい』といった要請が、ここ数年で増えてきた」と懸念を示す。

 同会によると、23年度に保護した猫40匹のうち、ほぼ半数の19匹が飼い主の死亡や多頭飼育崩壊で保護した猫だった。昨年度に対応した事例では、飼い主の認知症によりごみ屋敷となった家で、取り残されていた猫5匹を保護。過去には30匹の猫を1件の家で保護したこともあるという。

 飼育困難によるトラブルは、今後も増加することが予想される。飼い主側も健在であるうちにペットを譲渡するなどの対応が求められるが、中には認知症によって手放した後に「ペットを取られた。返せ」と迫るなど、トラブルになってしまうケースもある。

 関代表は「これらの問題に向き合わないと、飼い主のいない猫がまた増えて、今までやってきたことが台無しになる」とした上で、「責任を持てる範囲で飼ってほしい。愛玩動物は人間が責任を持ち、その最期を看取れる社会にしなければ」と訴えた。

 環境省によると、23年度に全国で殺処分された猫の総数は6900匹弱。21年度は1万1700匹で、年々減少傾向にある。新宿区では「地域猫活動」を推進しており、24年には同区役所で初めて保護猫の譲渡会を開催。同区では犬や猫の譲渡や相談支援に関する提携を、企業と結ぶといった取り組みも行われている。

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