
地方議員が市職員に政党機関紙を「押し売り」している実情が全国的に問題視されている。千葉県千葉市議会は12月1日、総務委員会で、庁舎内におけるしんぶん赤旗など政党機関紙の勧誘中止を求める陳情を賛成多数で採択した。12月定例会では、千葉県内で千葉市を含めた計6市が同様の陳情を採択。全国では11自治体に広がっており、各地で職員への心理的圧力の是正に向けた動きが進みつつある。(「しんぶん赤旗」勧誘問題取材班)
「パワハラから職員を守る千葉県民の会」が千葉市議会に提出した陳情では、①庁舎内における議員による政党機関紙の勧誘行為の禁止(営業禁止の庁舎管理規則を守る)②不本意ながら購読している市職員の救済措置として、購読中止または継続の意思確認を改めて行うこと③庁舎内での配達・集金を伴わない電子版購読や自宅配達への切り替え―を要望していた。
千葉市では今年3月、管理職898人を対象にアンケート調査を実施。623人が回答した。勧誘を受けた職員のうち、73%が「心理的圧力を感じた」と回答した。2021年以後に勧誘された職員は105人おり、現在も39人が購読していることも分かった。購読している理由(複数回答可)では、「解約を申し出しづらいから」が30人と最も多く、「解約した時の周囲の職員への影響に配慮して」が14人で「購読をやめる方法がわからないから」は5人いた。情報収集など前向きな理由で購読を続けている人は一人もいなかった。
自由記述では、「購読する場合は、職員からの申し出制とし、自宅等で購入すべき」「配達・集金の際、当該職員が不在であると、他の職員が対応しなければならず負担となっている」など、勧誘を迷惑がる意見が出た。
これを受けて陳情では、「議員から職員への勧誘行為が心理的圧力やハラスメントを伴う行為になっている」「庁舎内での購読や金銭のやりとりは、庁舎の政治的中立性から見ても疑念がいだかれる」と問題視した。
同市では20年にも管理職を対象とした同様のアンケート調査を実施しており、この時も勧誘を受けた職員の約7割が心理的圧力を感じたと回答している。今回の再調査でもほぼ同水準の結果となり、委員会審議では「議員による職員への政党機関紙勧誘が続く限り、構造的に心理的圧力が生じやすい」との認識が示された。
審議の過程では、自民党議員から「まるで昭和時代の押し売りのようだ。令和の時代なんだから、そろそろやめましょうよ」との発言もあった。市庁舎という“ブラックボックス”で長年継続してきた悪しき慣習に対し、議会と行政が問題意識を共有し、是正に踏み出した形だ。
千葉県内では他にも、四街道市、香取市、大網白里市、東金市、九十九里町で同様の陳情が採択されている。浜田聡前参議院議員は、これらの陳情採択を受け、X(旧ツイッター)に、「各種メディア、国民の声、Xユーザーの後押しで、この流れがさらに広がることを期待したい」と投稿した。






