
保守系の政治家や学者らで構成される日本の真の独立を目指す有識者会議(ECAJTI)は3日、「戦勝国史観を根底から覆す」と題する公開シンポジウムを都内で開催し、約120人が参加した。保守系有識者らが講演し、第二次世界大戦を再検討すべきだと主張。国際社会で言われている歴史観が実際の歴史とは真逆ではないかと疑問を呈した。
第二次世界大戦は「世界史最大のアイロニー」山下英次氏
ECAJTI創立者の山下英次大阪市立大学名誉教授は、米国が第二次世界大戦でソ連ではなく日本と戦ったことは「20世紀最大の愚行」と批判した一方で、「敗戦国・日本は反植民地主義を明確に掲げて戦った結果、世界100カ国以上が民族自決と国家独立を果たし、世界史に残る偉業を成し遂げた」と評価。「これは世界史最大のアイロニー(皮肉)だ」と強調した。

先の大戦について山下氏は、「米国は戦う相手を間違えるという致命的ミスを犯した」と指摘。「世界でソ連とモンゴルの2カ国しかなかった共産主義国家を戦後最大41か国に増やした。この大惨事を招いた責任はフランクリン・ルーズベルト大統領にある」と非難し、「ルーズベルトとチャーチル(英首相)は(ソ連の)レーニンの手のひらで踊らされた」と揶揄(やゆ)した。
「国際組織で国を支配するのが共産主義」渡辺惣樹

一方、日米近現代史研究家の渡辺惣樹氏は、米国がドイツと戦うために日本が利用されたと主張。戦後、国連や国際通貨基金(IMF)などの「国際組織を作って国家を支配するのが共産主義の根底にあることを国民は知らないといけない」と訴えた。
両氏の講演に続き、パネリスト3人を加えてパネルディスカッションが行われた。
「歴史観は米国から植え付けられた」田母神俊雄氏

元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、「日本は残虐国家だという歴史観を米国から植え付けられた」と指摘。「占領下で作った日教組のようなシステムはすべて廃止すべきだ」と訴えた。
「戦争の議論を国会で」松田学氏

松田学参院議員(参政党)は、「歴史をきちんと認識しないことが日本の停滞を招いている」と強調し、「ウクライナ戦争がなぜ始まったのかの議論が国会で行われていない」ことを問題視した。二つの大戦は植民地主義が原因にあるとし、「グローバリズムの存在が戦争の原因になっているか検証すべきだ」と訴えた。
「決めつけはいけない」石井希尚氏

ゴスペルバンドHEAVENESE代表で牧師の石井希尚氏は、以前、招待されてイスラエルを訪れただけで売国奴などのレッテル貼りされた経験を披露。「断定的な決めつけをしたら(先の大戦で)米国がしたことと一緒になってしまう」と警鐘を鳴らした。





