トップ国内【連載】新連立政権始動高市内閣の課題(上)自維合意で「日本再起」へ 与野党内外の折衝不可欠に

【連載】新連立政権始動高市内閣の課題(上)自維合意で「日本再起」へ 与野党内外の折衝不可欠に

臨時閣議に臨む高市早苗首相(右から2人目)=22日午後、首相官邸

 公明党が自民党との連立を解消したことを受け、「総理になれないかもしれないかわいそうな女です」とさえ語った高市早苗自民党総裁が、一転して臨時国会の首相指名選挙で過半数票を獲得し、首相に選出された。局面を変えたのは連立協議に応じた日本維新の会。双方の合意に基づく自維連立政権樹立によって発足した高市内閣は、まず維新と合意した政策実現が一丁目一番地の仕事になる。

 高市首相は就任記者会見で「強い日本経済を作り上げ、外交・安全保障で日本の国益を守り抜く」と決意を語った。維新との連立政権合意書は「日本の底力」を信じ「日本再起」を図るとの気合の入った文言だ。

 しかし、少数与党であることは自公連立の時と変わらない。衆院(定数465)勢力で自民は196、維新は35、合わせて231。参院(定数248)勢力で自民は101、維新は19、合わせて120。両院とも少数だ。法案を通すにはなお野党の中から協力を得なければならない。

 高市氏は、政策を推進するためには「政治の安定」なくしてできないと何度か強調し、連立政権の「基本政策と矛盾しない限り、原則として、政策提案を受け入れる方向で前向きに議論」する姿勢を野党各党に示した。そのために「最大限の柔軟性を発揮していく」ことが「不動の方針」と内閣の性格付けをした。

 一方、維新の藤田文武共同代表は自身のX(旧ツイッター)で高市首相選出に祝意を述べるとともに、自維連立を「本格的な改革保守連立政権」と位置付け、改革に向け「国家観を同じくする保守勢力の結集が不可欠」と強調した。

 自民党内でも高市氏は少数派だ。総裁選1回目の投票で得た国会議員票は約2割の64票。組閣では小泉進次郎防衛相、林芳正総務相、茂木敏充外相を入閣させた。党人事で重用した小林鷹之政調会長とあわせ総裁選候補者全員を閣内、党役員に処遇した。石破茂前首相を退陣に追い込む波乱を呼んだ臨時総裁選を実施しただけに、党内融和への腐心は避けられないだろう。

 維新は閣僚を送り込まず閣外協力にとどめた。ただ一人、遠藤敬首相補佐官が「連立合意政策推進担当」として首相官邸入りし、高市内閣と維新との連絡に当たる。両党の合意書に示された12項目の政策の実行の進捗度が、自維連立政権を継続するバロメーターとなる。

 自民党内、連立政権、国会で「少数」を意識した政権運営を担う高市氏の内閣は、政策実現に“最大公約数”を得る折衝の繰り返しが不可欠となる。与野党で共通項目となる物価高騰対策など経済対策はその糸口だ。

 だが、維新が連立合意の絶対条件としたのが衆院議員の定数削減だ。自民と維新が交わした連立政権合意書は、「1割を目標に衆院議員定数を削減するため」、今臨時国会で「議員立法案を提出し、成立を目指す」と明記している。既に自民党内、公明、共産党など野党から反対の声も上がっている。が、維新側が「熱量をぶつける」(吉村洋文代表)として自民との交渉に臨み、引き出した与党間の約束であり、大きな試金石になる。

 また、「強い日本」「自立した日本」を目指す取り組みとして、インテリジェンス・スパイ防止関連法制、外交安全保障における防衛力強化などの政策で法案を通すのは簡単ではない。憲法9条改正は国会議員の総数の3分の2の賛成を得なければ、改憲案を国民投票へ発議できない。

 来週予定されるトランプ米大統領との日米首脳会談について、高市氏は「日米関係をさらなる高みに引き上げる」と述べている。この外交関係が、高市政権の強い日本に向けた改革保守路線に追い風となるかもしれない。(窪田伸雄)

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