トップ国内石破首相、戦後80年「所感」発表 「辞める人が…」反対意見押し切り

石破首相、戦後80年「所感」発表 「辞める人が…」反対意見押し切り


 石破茂首相は10日夕方、記者会見を行い、「戦後80年に寄せて」と題する「個人の所感」を公表した。戦争をなぜ止めることができなかったかという観点から「政治と軍事を適切に統合する仕組みがなかった」ことや、軍を指揮する「統帥権が拡大解釈され軍部に利用されるようになった」ことなどを問題だったと指摘した。安倍晋三元首相が2015年に発表した「戦後70年談話」など「歴史認識に関する歴代内閣の立場は引き継ぐ」と強調している。


 所感では、戦争を防げなかった問題点を(1)大日本帝国憲法(2)政府(3)議会(4)メディア(5)情報収集・分析―に分けて分析。「現在の文民統制の制度を正しく理解し、適切に運用していく不断の努力が必要」と訴えた。


 石破氏は終戦記念日の8月15日、降伏文書調印日の9月2日、同月25日(日本時間)の国連総会、いずれかのタイミングで80年談話・見解を出そうと模索したとされるが、見送っていた。


 自民党の高市早苗総裁は総裁選で、70年談話を「未来志向で、次の世代にまで謝罪を繰り返してもらいたくないという思いを込めたものだ」と評価した一方、80年見解については「必要ない」と断言していた。自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表・青山繁晴参院議員)は複数回、80年談話・見解を発出しないよう要請してきた。


 保守系有識者で構成する「英霊の名誉を守り顕彰する会」(佐藤和夫会長)は8月から5回にわたって、石破首相談話の発出に抗議する集会を首相官邸前で開き、「辞める人が談話を出すことに何の意味があるのか」と訴えた。

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