トップ国内【連載】2025総裁選 どう変わる自民党(中)急務の物価高・外国人対策

【連載】2025総裁選 どう変わる自民党(中)急務の物価高・外国人対策

街頭演説した自民党総裁選候補者ら=24日午後、東京・秋葉原(豊田剛撮影)

 各種世論調査によると、総裁選で取り組んでほしいテーマとして最も多く挙げられるのが、物価高対策を含む経済政策だ。

 7月の参院選では「消費税減税」や「現金給付」といった物価高対策が争点の一つとなり、自民党は現金2万円給付を軸とした家計支援策を公約に掲げた。しかし、消費税減税やガソリン税の暫定税率廃止など、野党の分かりやすい主張に対して支持を集められず、与党は議席を大きく減らす結果となった。

 経済を好転させるには、物価上昇を上回る賃金の伸びが欠かせない。石破茂首相は昨年の総裁選で最低賃金引き上げの必要性を強調してきた。さらに5月の政労使会議では、持続的な実質賃金上昇を「社会全体で共有すべき目標」と表明し、秋に経済対策をまとめる考えを示したが、辞任表明によって具体的検討は途上にある。実質賃金は7月、7カ月ぶりに前年同月比でプラスとなったが、持続できるかは不透明だ。

 全国の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、7月まで8カ月連続で前年同月比3%台の上昇が続いている。賃金上昇が物価上昇に追い付いていない。

 中でも、主食であるコメの価格高騰は家計の大きな負担になっている。5㌔当たりのコメ価格は今春、前年の約2倍の4000円を超えた。小泉進次郎農林水産相は政府備蓄米の市場放出を決定し、一時的な価格抑制を図ったが、需給見通しや在庫管理の難しさも指摘されている。

 経済対策を巡っては候補者ごとに温度差がある。石破政権を継承する小泉氏や林芳正官房長官は、財政健全化を重視しつつも、賃上げや投資による成長を訴える。一方、高市早苗前経済安全保障担当相は減税を含む積極財政に前向きで、食料品の消費税率引き下げを検討課題とする考えを示している。

 外国人政策も総裁選に期待するテーマとして浮上している。厚生労働省は1月31日、2024年10月時点で日本で働く外国人が230万人となり、前年に比べて25万人(12・4%)増えたと発表した。

 「コロナ禍後の外国人観光客急増によるオーバーツーリズム問題、外国人の不動産取得問題などが一部で争点化されるなかで、『自民党は左傾化している』、『政府・与党は日本人よりも外国人を優遇している』等の疑念も一部世論に生まれ、他党へ(票が)流出することとなった」

 参院選後にまとめられた党内総括文書はこう指摘している。埼玉県川口市など一部地域では、外国人住民と地域社会の摩擦が課題となっている。各候補とも外国人受け入れのルール整備に言及しているが、具体的な対応には違いがある。

 次期総裁に求められるのは強いリーダーシップで、外交・通商政策も試金石となる。米国との関税交渉では赤沢亮正経済再生担当相の粘り強い交渉もあって、参院選直後の7月23日に合意した。しかし、経団連の筒井義信会長は「15%関税が経済に影響があるのは事実。製造業を中心にマイナス影響が強く出ている」と厳しい評価を下した。

 トランプ米政権の動きを予測するのは難しいだけに、米国とうまく交渉できるリーダーシップが求められている。(総裁選取材班)

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