トップ国内自らの言葉で主体的発信を 対話で未来を模索―家庭連合2世シンポジウム 現役・元信者が意見交わす

自らの言葉で主体的発信を 対話で未来を模索―家庭連合2世シンポジウム 現役・元信者が意見交わす

パネルディスカッションで発言する仲正昌樹氏(左から3人目)ら=30日、都内 (山田芙珠美撮影)

今年3月、東京地裁が世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の解散命令を下して以降、信者も元信者も複雑な思いを抱えている。現役信者と元信者が共に教会の今後や内部改革について話し合うシンポジウムが8月30日、都内で開かれた。登壇者らは、教団の改革の必要性を訴えた。(山田芙珠美)

シンポジウムは、家庭連合の2世信者で構成する「信者の人権を守る二世の会」(小嶌希晶〈こじま・きあき〉代表)が主催。現役信者からは2世信者の小嶌さんと深沢まいさん、元信者は金沢大学の仲正昌樹教授、2世として育った大門浩さん(仮名)がパネリストとして登壇した。

大門さんは「教会の中では、正しい形から外れると不信仰だと見なされる意識が根強い」と指摘。その結果、信者同士が率直に対話できず、建前が優先される文化が残ると指摘した。本音を語り合える関係性を築けなければ、現役と元信者の共存も、改革への歩みも困難との認識を示した。

過去の被害や問題への対応を軽んじれば、社会からの信頼も得られないと警鐘を鳴らしたのは、現役信者の深沢さんだ。「『寄り添う』という言葉は簡単に口にできるが、本当に寄り添うには知識や理解が欠かせない」と語った。特に、元信者の痛みに向き合うには、単なる同情や表面的な言葉では足りないと指摘。「すぐに謝ればよいというものではない」とも述べ、誠実さは謝罪の数ではなく、相手の痛みを理解し続ける姿勢にあると訴える。

今後の教会の在り方について、仲正教授は「世の中の人に聞く耳を持ってもらうには、教団から指示されたのではなく、2世が自分で考え、自分で行動していると正直に示すことが大切だ」と強調。形式的な主張ではなく、行動で誠実さを示すことが信頼回復の近道だと述べた。その上で、教会が取り組むべきは「居場所の主張」ではなく、内部を成熟させ透明性を向上させることだとアドバイスした。

「その人にとって素晴らしい場所が、他の人にとって素晴らしくないこともある。100人いて100人が心地よく過ごせる教会はない。信仰や教会への考え方の違いを認め合える教会であるべきだ」

こう訴えた小嶌さんは、すべての人にとって快適な教会をつくることは理想だが不可能だからこそ、多様性を前提とし、互いの価値観を認め合える関係性を築く必要性があると述べた。

二世の会は3年前に発足して以来、家庭連合の2世信者の声を社会に届ける活動を続けてきた。小嶌さんは、安倍晋三元首相の暗殺事件以降、現役信者が何を語っても「マインド・コントロールされている」と片付けられ、発言権を持てなかったと振り返る。その一方で、仲正教授ら外部有識者が信者の実情を発信してくれたことは大きな支えだったという。今後は、有識者頼みではなく、現役信者自身が自らの言葉で考えを示し、主体的に発信していくことが重要だと強調した。

シンポジウムはユーチューブでライブ配信された。会場に参加した現役2世信者は「社会の批判ばかりを気にするのではなく、まずは教団内部で本音を語れる土壌をどう築くかが重要だ」と語り、内部改革の必要性を訴えた。

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