
原爆投下から80年の節目となった広島で、平和記念式典に参列しようと、6日の夜明け前から数十人が列をつくっていた。平和記念公園の慰霊碑前には次々と参拝者が訪れ、静かに手を合わせる様子が見られた。
毎年この日には参拝に来ているという京都在住の國府幸代さん(75)は、両親と兄が被爆し、3人とも既に亡くなったと語った。幸代さんの父は当時、呉市で働いており、家族で京都に帰省する途中、電車を乗り換えた広島駅で被爆した。1歳半だった兄の明生さんは被爆後、1週間経たずに息を引き取ったという。兄には「ただただ生きていてほしかった」と涙をこらえた。

広島市河原町に住む82歳の男性は12歳離れた長兄を原爆で亡くした。被爆後、親が兄を田舎に連れて帰ったが2日で亡くなった。今回が初めての参拝だと話し、兄には「ただ安らかに眠ってほしい」と願った。
終戦から80年が経ち、記憶の継承が課題になっている。
式典会場の一般席には、中高年や高齢者、外国人の姿が目立ったが、招待参加した学生を除くと若い人々は少なかった。こうした光景について、会場から近くの飲食店で店長を務める29歳の男性は、「毎年のこと。黙祷くらいはするけど」と苦笑した。

式典会場近くでは、左翼勢力による妨害行為が目立った。活動家らが会場外から「戦争反対」などの拡声器を使って大声を上げた。5日の夜にも大規模な集会を開き、「戦争翼賛式典粉砕」「石破の式典出席反対」などと連呼していた。
毎年この時期、原爆ドームがある公園周辺における大音量のデモ行進や集会が問題になっている。立ち入り規制に反対する活動家らによる座り込みも見られた。6日午前7時半過ぎ、警察は中核派活動家の男2人を暴行の疑いで現行犯逮捕した。
(宮沢玲衣)







