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都ファ風吹かず 自民第1党か 東京都議選 あす投開票

12年に1度の同時期選挙 参院選に影響も

候補者の演説を聞く聴衆=13 日、東京都港区(加藤玲和撮影)

任期満了に伴う東京都議会選挙が22日に投開票される。与党が安定多数を維持する見通しだが、自民党が第1党を維持するか、小池百合子知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」が奪還するかが最大の焦点。1カ月後に控えた参院選を占う重要な選挙と位置付けられているため、各党は国政並みの態勢で取り組んでいる。(豊田剛)

今回は42選挙区に295人が立候補。物価高騰と賃上げの対策、「政治とカネ」が主な争点になっている。

「12年に1回、参院選と都議選がほぼ同時期に行われる。全力を挙げて臨みたい」。石破茂首相(自民総裁)は13日、記者団を前にこう述べ、挙党体制で臨むことを明らかにした。東京は無党派層が多いため「風」の影響を受ける傾向にある。選挙結果はその後の国政選挙と連動するケースが多い。

終盤の19と20の両日、国会日程の合間を縫って小泉進次郎農水相が激戦の選挙区に入り、マイクを握った。「自民党も物価高対策、お米の問題、ちゃんとやればできるじゃないか。そういう仕事を見ていただきたい」と訴えた。陣営関係者は、「政府備蓄米の放出で停滞していた石破政権の雰囲気を変えた」と“小泉効果”に期待を寄せた。

それでも、自民に楽観ムードは一切ない。今年1月、自民党会派「都議会自民党」が開いた政治資金パーティーの収入の一部が政治資金収支報告書に掲載されていなかったことが発覚。26人の都議や元都議が代表を務める政党支部でも不記載があり、この中に会派の幹事長経験者8人が含まれていたことが分かった。

自民は前回2021年の都議選で、都民ファから第1党を取り戻した。今回は、不記載問題を受け、公認候補者数を42人に減らした。非公認とした幹事長経験者6人を含め、7人が無所属で出馬した。ある候補の陣営は、「“裏金問題”が蒸し返されてしまえば逆風になる」と話した。

複数の調査では、過去最低議席だった17年の23議席を下回ることはなく、第1党を維持する可能性が高い。

都民ファは圧勝した17年のようなムードはない。関係者は、「衆院選では都内の選挙区で支援に回った。その見返りに、国民民主党は都議選で都民ファーストの会の選挙を手伝う約束をしていたが、一方的に反故(ほご)にした」と恨み節だ。政治評論家の田村重信氏は「国民民主と支持層が重なり、議席を減らすことは避けられない」と予想する。それでも、22人を擁立する公明を含めた3党派で過半数維持は固いとみられている。

昨年の衆院選で、議席を7から28に増やした国民民主は16人を公認し、攻勢を掛けている。前回は公認候補4人が全員落選し議席はないが、玉木雄一郎代表は10日の記者会見で「まずは5議席、できれば条例提出権のある11議席を目指したい」と話した。

ところが、告示が迫る5月、山尾志桜里元衆院議員らスキャンダルの多い人物を参院選の公認候補に選定したことで急失速。さらに玉木氏が、政府備蓄米を「動物の餌」と発言したことが物議を醸した。当落線上で苦戦する候補が多く、支持基盤の強い候補を切り崩せるまでには至っていない。ただ、玉木代表は小池知事と「希望の党」で一緒だったこともあり、国民が議席獲得すれば与党の立場を取ることが予想される。

野党では、共産党と都議会第5党に甘んじる立憲民主党は、定数3以下の選挙区で候補者をすみ分けた。共産、立民ともに小池氏批判を強めているが、形勢を変えられるほどの勢いはない。

昨年の都知事選で2位の得票を得た石丸伸二氏は政治団体「再生の道」を立ち上げ、自民と同じ42人が立候補。小池知事を「全く評価しない」立場を取り、公約を掲げない。都知事選当時と比べて話題に乏しく、苦戦を強いられている。

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