憲法記念日

日本国憲法施行から78年となる憲法記念日の3日、改憲派と護憲派の団体が各地でそれぞれ集会を開いた。改憲派の集会で石破茂首相は自民党総裁としてビデオメッセージを寄せた。日本周辺の安全保障環境の悪化や首都直下型地震など震災発生の可能性に言及した上で「緊急事態対応、自衛隊の明記を最優先に取り組んでいきたい」との考えを示した。
改憲派の民間憲法臨調(代表=櫻井よしこ)などは「第27回公開憲法フォーラム」を東京都千代田区の砂防会館別館で開き、主催者発表で全国19カ所の中継会場やネット視聴を含め約2万1000人が参加した。
自民は、(1)9条への自衛隊明記(2)緊急事態条項の創設(3)参院選挙区の合区解消(4)教育の充実―の改憲4項目をまとめている。首相は「自民党が積極的に国民に働きかけることが大事」だと強調した。
シンポジウムも開かれ、自民、公明、日本維新の会、国民民主党の幹部らが出席した。自民党の古屋圭司・憲法改正実現本部長は、「(憲法改正に)主権者の国民が主体的に参加できない。これは国会の不作為と言っても過言ではない」と強調。日本維新の会の青柳仁士・政務調査会長は、災害やテロを例に挙げて「一瞬で悲惨な状態になる。そうなってから準備ができていなかったと言っても遅い」と指摘し、改憲条文化のための起草委員会の早期設置を訴えた。
同フォーラムでは、各党が改憲の共同作業に着手するよう求める声明を発表した。世論調査では国民の半数以上が憲法改正を支持していながらも、国会が「内向きの政争を繰り返している」と批判。「改憲は次の第一歩」として、各党に9条や緊急事態条項の条文化に向けた共同作業への参加を呼び掛けた。