群馬県桐生市はこのほど、庁舎内の政党機関紙アンケート結果を公表し、管理職員の過半数が「しんぶん赤旗」など政党機関紙の勧誘を受け、そのうちの多数が心理的圧力を感じたという実態が明らかになった。回答した管理職員の57%(113人)が市議会議員から政党機関紙勧誘を受けており、そのうち56%(63人)が心理的圧力を感じたと回答した。アンケートは昨年実施され、管理職員269人のうち197人が回答した。
現在は67人が購読していることも分かった。「購読した理由」(複数回答可)については、「議員から勧誘され断りにくかったから」が30人で最も多かった。「他の職員も購読しているから」「購読しないと不利益を被ると思ったから」がそれぞれ17人。「勉強になると思ったから」はわずか3人だった。
「政党機関紙の購読についてどう思うか」という問いには、「今までどおり購読を続けたいと考えている」がわずか6人だった一方、「購読をやめたいと考えている」が43人で過半数となった。
このほど同市3月議会の総務委員会は「政党機関紙の庁舎内勧誘行為の実態調査を求める陳情書」を審議した。議会では、アンケート結果を重く受け止め、継続審議にすることを決めた。
同県渋川市では2024年3月、同様のアンケート調査を実施。回答した591人のうち107人(18%)が勧誘を受けたと答え、議会対応業務のある課長以上では91%に上った。6割が「止めたい」と回答した。
この結果を重く受け止めた市議会は会派代表者会議で対策を協議し、議員が職員に対する勧誘行為の一切を禁止することを申し合わせた。
東京都議会でも、3月議会で政党機関紙勧誘に伴うハラスメントが問われている。一般質問を受けて総務局長は「庁舎管理規則に基づき、政党機関紙勧誘は禁止行為」だと答弁した。
しんぶん赤旗の勧誘を続ける共産党都議は「政党機関紙の購読をすすめることは、憲法が保障する政治活動」と反発。これに対し、自民党都議は「機関紙勧誘が職員の意に反した押しつけになっている実情がある」として、職員アンケート実施を求めた。
(「しんぶん赤旗」勧誘問題取材班)