
二世の会/小嶌代表「信者は傷ついている」
東京地裁が世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の解散命令を決定したことを受け、家庭連合2世信者で構成する「信者の人権を守る二世の会」(小嶌希晶代表)は26日、東京都渋谷区で記者会見を開き、信者は傷つき苦しみ、居場所が失われることに対して不安を持っていると訴えた。
小嶌さんは、「『解散しても信仰は続けられますよね。困ることはないですよね』とマスコミの取材で常に聞かれるが、私たちの教会はボランティア活動など多くが集まって活動している」と説明。「国から存続してはいけないと言われて、多くの信者が傷ついている」と話した。
大阪在住の白數将明さん(25)は、「信仰する場所がなくなるのは、かけがえのないものがなくなる感覚」と話し、解散命令は「歌手に無人島で歌えと言っているようなものだろう」と例えた。
教団職員の今中誠真さん(29)は、教団の被害を受けた人がいることを認めた上で、マスコミ報道の影響で、「それ以上に苦しんでいる信者も多いことを知って欲しい」と主張。宗教団体に対してネガティブなイメージを持つ人が多い風潮を危惧した上で、家庭連合の本当の姿を見てもらえるよう努力したいと意気込んだ。
信者や関連団体による裁判で代理人を務める徳永信一弁護士も会見に同席した。東京地裁の決定について、「教団が法人格をはく奪されることによる不利益、すなわち信徒の信仰の自由が奪われることについての配慮が十分に検討されたのか、大変不満だ」と批判。「コミュニティー(共同体)をつくり、同じ価値観を持った人たちが共存していく」という人間の中核を占める宗教的価値に対する扱いが軽すぎると嘆いた。文部科学省が行使した質問権のうち、一部回答を拒否したことをもって教団の悪質性が「推定」されていることを踏まえ、東京高裁では「推定を打ち破る戦いになる」との見方を示した。