
著述家・加藤文宏氏の話 東京地裁で世界平和統一家庭連合に解散命令が下された。
きっかけは背景や動機が全く解明されていない安倍元首相暗殺事件だった。また教団を解散させる根拠として提出された当事者からの聞き取り調査は、数十年前の報道をなぞった内容ばかりで文科省による捏造(ねつぞう)が指摘されている。
こうして生み出された現実から大きく乖離(かいり)した教団像と、この虚像に刺激されて生じた国民の激しい憎悪が、審理の行方を左右した末の一審判決だった。
マスコミが政治的な思惑を不安感や不信感に変えて盛んに報道すれば、大衆だけでなく政権までも動揺し、どのような立場の集団にも社会的な死を宣告できると判決が明らかにしてしまった。暗殺事件から解散命令までの過程で成功体験を得た人々が、この手法を宗教法人以外に応用しないと言い切れるだろうか。
過去の事例とのバランスを欠く、不確かな根拠に基づく判決が下された原因を明らかにしないで放置するなら、政権が代わっても国は同じ過ちを繰り返すはずだ。今回の判決は宗教法人が政局の道具に使われたことを肯定しただけでなく、信教の自由の危機にとどまらぬ国民の将来にわたっての人権問題であると周知されなければならない。





