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文部科学省の世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)に対する解散命令請求について東京地裁(鈴木謙也裁判長)は25日、解散を命じる決定をした。家庭連合は東京高裁に即時抗告する。民法上の不法行為を根拠とした初のケースとなるが、拙速な手続きは否めず、本紙既報の通り証拠となる陳述書に虚偽がある疑惑をはらみながら非訟事件として宗教法人を解散させることは、憲法が保障する信教の自由を過度に侵害することが懸念される。
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証拠捏造疑惑は非公開のまま
教団は即時抗告方針 東京地裁
2022年7月に安倍晋三元首相銃撃事件を起こした山上徹也被告(44)=殺人罪などで起訴=が、母親の高額献金による教団への恨みが犯行動機と警察に供述したとされたことから、マスメディアが教団と政治家との関係を批判的に報道。国会では野党が自民党を追及する中で、事件当時の岸田文雄首相は教団との関係断絶を宣言し、閣議決定を経ず宗教法人法の解散要件の法解釈を変更する国会答弁をしたことから、これを根拠に文科省による7回にわたる報告徴収・質問権行使、23年10月に解散命令請求へと進んだ。
刑事責任を問われて解散命令が決定したオウム真理教を巡る裁判では、宗教法人の解散については憲法が保障する信教の自由に基づき抑制的に慎重な判断を要するとされて、「刑法違反」が対象と解釈されていた。
「民法の不法行為を含む」と裁判所が判断したのは、解散命令請求がされた後のことで、質問への無回答を理由とした教団への過料を巡る抗告審決定で示された。最高裁で確定したのは今月3日であり、地裁の決定に間に合わせる政治的な判断の印象は拭えない。
文科省は、1980年ごろから教団信者が正体隠しの勧誘を行い、不安をあおって高額献金を迫るなどの不法行為を繰り返したとして解散理由に当たると主張。被害規模を示談を含めて約1550人、総額204億円に上るとした。
これに対して教団側は献金は宗教活動であり、不法行為による財産の受け皿ではないなどと反論した。地裁は非公開の審問を4回開き、現役信者や元信者を証人尋問するなど審理を進めた。この中で、文科省側の証人の元信者が陳述書の内容を知らないなど杜撰(ずさん)な証拠提出が明らかになり、2月に教団は「文部科学省による虚偽証拠捏造行為―解散命令請求裁判で暴かれた国家権力の大罪―」と題する報告書を公表している。
日本における家庭連合への解散命令は海外にも懸念が広がっており、ニュート・ギングリッチ元米下院議長は24日にX(旧ツイッター)で、日本で起きている「家庭連合に対する現在の攻撃は日米同盟を弱体化させ、中国共産党と日本の和解のきっかけをつくろうとする試みだ」と投稿し、警鐘を鳴らした。
教団は、地裁決定を受けた声明で「当会は2009年のコンプライアンス宣言以降、民法上の大きな問題も発生していない上、献金について信徒の方々と『確認書』を取り交わすなど、内部における改革を熱心に推進した結果、日本司法支援センター『法テラス』での調査結果が示すように今では献金をめぐる新たなトラブルは皆無に等しい」などと訴えた。
「宗教全体の危機」
家庭連合・田中会長が会見
東京地裁から解散命令が出されたことを受けて、世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の田中富広会長は25日、東京都渋谷区の教団本部で記者会見し、「解散すべき理由を見いだせない決定は明らかに不当。国家による宗教迫害であり、宗教全体の危機だ」と訴えた。
田中氏は、拉致監禁などで棄教を強制された元信者の主張をうのみにした決定は「到底受け入れられない」と強調。「財産が没収されれば活動は重大な制限を受ける。今後は抗告審において最大限の力を尽くし、決定を見直してもらえるよう取り組みたい」と述べた。東京高裁への即時抗告は2週間以内に行う予定で、「全力で取り組んでいきたい」と話した。
顧問弁護士の福本修也氏は、解散命令が信者や教団職員の家庭崩壊や差別の助長につながるとして、「裁判官はそのことを考えたのか。あまりにもひどい決定だ」と話した。「信者との間でトラブルのない宗教団体はほとんどない。宗教界にとって脅威だ」と訴えた上で、文部科学省が東京地裁に提出した陳述書について「捏造(ねつぞう)だった」と指摘した。





